格差カップルを社会学者が徹底調査「シンデレラストーリーの続きとは…?」

おとぎ話の『シンデレラ』から始まり、映画でも『プリティウーマン』や『ノッティングヒルの恋人』など、格差を乗り越えて描かれるラブストーリーはじつに多彩。
育ちや環境の違いは、ハッピーエンドへの布石として人々の感動を誘うもの。

でもこれって空想の中だけの話では?
いえいえ、現実社会でも年齢、国籍、家庭環境、最近では性別も超え、あらゆる違いを乗り越え結ばれるカップルたちがいる。

shutterstock_247468942

では、ドラマティックな恋愛を成就させたカップルが直面する、実際の生活とは、果たしてどんなものなのだろう。

シンデレラストーリーの延長戦を真面目に調査した、デューク大学の研究結果がアメリカでちょっとした話題を呼んでいる。
社会学者のJessi Streib助教授が、格差婚カップル32組についてリサーチを実施。お金持ちとそうではない人が結婚することで起こる、様々な事象が見えてきた。さて、実際のところどうなの?

01.
やっぱりカギは、
違いを理解し合えるかどうか

shutterstock_143294011

それぞれ育った家庭環境が違えば当然、考え方や感情表現にも差が出る。お金が付いて回る人と縁遠い人とでは、日常生活においても、あらゆることにズレが生じているようだ。

驚きや発見の連続にお互い不満もある様子。だけど、日々の会話のなかで「その考え方はありえない」「それはおかしい」と態度や発言に出すのは絶対禁物、とStreib助教授。
お互いの価値観を認め合えるかどうか、そして、その違いを楽しめるかが幸せな家庭を築くカギとなる。

02.
相手の環境に馴染む努力と
パートナーへの敬意

格差婚の場合、やはり裕福な側に生活レベルを合わせていく傾向が強い。多くの人は、上流階級出身のパートナーに合わせたライフスタイルを送ろうと必死に模索した経験があるという。

一方、裕福な相手は、パートナーの努力に対して敬意をはらっていると回答する意見が多かった。努力と感謝の構図が浮かび上がったかたちだ。

03.
格差婚は、家事分担で
モメない!?

shutterstock_165811187

収入が同レベルのカップルだと、お互い同じだけ働いているのだから「家事は分担するもの」とする意識が強く、それが平等でない場合は不満の火種となるケースが往々にしてあると、Streib助教授は見ている。
だが、片方が明らかに高収入な格差婚の場合、そのパートナーは家事全般を自分が担当するのが当然と考える傾向にあるようで、この点では争うことはないんだそう。

04.
子育てへの考え方にも
違いが出る

格差に起因する思考の差は、子育てにも表れる。具体的には、高所得を得ている人ほど、子どものうちから様々なことにチャレンジさせようと、習いごとを強いるケースが多いようだ。これは、のびのび自由に育てたいと願うパートナーと、時には争いの種に。

しかし、こうした両親の狭間で育った子どもの意見は、意外にも前向きなものが多いという。曰く「父と母、両方の世界観を培われることで、自分の思考にも幅が持てる」のだとか。

05.
相手を変えようとせずに
満足度を合わせていく

shutterstock_101208862

育ちの違いを急に変えることは難しい。努力すればするほど互いにストレスが溜まっていく。これに対しStreib助教授の見解は、変えようするのではなく理解しようと努力することこそ、格差婚を成功させる秘訣だと捉えている。

研究対象となった格差カップルの多くは、その差を認め合い、受け入れることで、人生を共にする歓びを得ていたそう。

違いを認め合うことが、お金以上の価値を生む。どんなカップルの心にも響くアドバイスだ。

Reference:scienceofus

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。