「製品化までに、10年と約50億円」BOSEの哲学とプロダクトへの情熱がすごい・・・

世界的にその名を知られるアメリカの音響機器メーカー「BOSE」。革新的な技術で高音質なスピーカー、ヘッドホン、サウンドシステム等のアイテムを次々に生み出してきた企業だが、その歴史やエピソードは、これまであまり語られてこなかった。
ここでは、常にイノベーションを起こし続けるBOSEの知られざるエピソードを紹介していこう。

01.
BOSEが設立されたのは、
なんと大学の研究室だった!

アマー・G・ボーズ博士がBOSEを設立したのは1964年。その場所というのが、オフィスビルの一室ではなく、なんとマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究室! 幼い頃から電気製品に強い関心を示し、いつか電気機器を設計したいと夢見ていたボーズ博士は、MIT卒業後、母校で教鞭をとりながら電気機器に関する多くの特許を取得。研究室から世界的な音響機器メーカーとしての大きな一歩を踏み出した。

02.
ボーズ博士は晩年に
会社の大半の株を
大学に寄付した

イノベーションを起こし続けるために、ボーズ博士が最後に行った仕事、それはマサチューセッツ工科大学(MIT)に自身の持つ株を寄付することだった。

これは自分の母校への恩返しという以上の大きな意味を持つことになる。MITは利益に応じて配当金を受け取り、それを研究者の育成にあてる。その研究者は将来、BOSEに入社する可能性がある。優秀な研究者は、BOSEに大きな利益をもたらし、またMITに配当金が入る・・・つまり、会社が発展し、革新的な研究開発を続けるための“循環システム”を作ったというわけだ。

03.
BOSEが上場しないのは、
目先の利益よりも
「チャレンジし続ける姿勢」
を大切にするため

意外なことに、BOSEは株式公開していない非上場企業である。利益水準など、規模の問題で“できない”のではなく、“しない”。その理由は「イノベーションを起こし続けるため」。上場しないことで、目先の利益を追求せずに、常にチャレンジを続けていけるという考えだ。

04.
ノイズキャンセリングの技術は、
ボーズ博士が機内で思いつき、
着陸時には基礎理論が
完成していた
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すでに流行を通して、定着した感のあるBOSEの「ノイズキャンセリングヘッドホン」。騒音とは逆の音波を流すことで、電気的に騒音を打ち消すという画期的な製品だが、そのアイデアは、ボーズ博士が飛行機の中で考えたもの。

1978年、機内でヘッドホンを装着した博士は、飛行機の騒音が大きくガッカリ。その場でノートとペンをとり、方程式を書き始め、着陸時には書き終えていたという。

05.
しかし、製品化までには、
10年と約50億円がかかった

ボーズ博士がアイデアを出してから「ノイズキャンセリングヘッドホン」が、製品化されるまでは、10年の歳月と研究費約50億円(5,000万ドル)が費やされた。
ある日、社員がそのことを博士に報告すると、博士は驚きながら「5,000万ドル!? もしも上場していたら、僕はとっくに首になっているところだ」と答えたという逸話が残っている。

06.
BOSEの研究所には、
たくさんのリビングルームがある
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もちろん、それはホームオーディオの音響を調べるため。広さやインテリアのレイアウトによって音の反響などが変化するため、さまざまなタイプの部屋が実験用に用意されており、そこで製品のテストが行われている。

07.
マツダと日産には
BOSEのエンジニアが常駐している

BOSEにはオートモーティブ部門があり、カーオーディオを作っている。しかし、それらは店頭には絶対に並ばない。なぜなら、BOSEはカーオーディオを提供する際、その自動車の開発段階から関わることを信条としており、ユーザーが後付けするようなパーツ販売はしないから。共同開発のスタンスを貫き、BOSEのエンジニアが最適なレイアウトを提案し、最終的な音響チューニングまでを通して携わっている。
BOSEが考える音は、人の耳で確かめて決めるものなのだ。

08.
BOSEには、建物の施工前から
完成後の音を確認できる
特別な装置がある

bose017家庭用音響機器だけでなく、商業施設やホール、アリーナなどのスピーカーシステムも数多く手がけるBOSE。

失敗しない音響設計を行うために開発された可聴化システム「オーディショナー」は、施設の建設または機器の設置前に、会場の席で聴衆が体感するサウンドと同じ音を聴くことができる。この画期的な装置により、ローマのシスティーナ礼拝堂やサンピエトロ大聖堂、メッカのグランド・モスク、スーパー・ドームなど、オリンピックやワールドカップの会場の音響設備を含む、世界中の何千ものプロジェクトを成功に導いている。

09.
ボーズ博士が大切にしていたもの
“想像力と探究心”

「決して想像力を失ってはいけません。つねに前進し、何かを生み出し続けるために。いつもよりよいものを夢見て、それを叶える方法を、考えなさい」
これはボーズ博士が、大学の講義で語った言葉。この言葉には、BOSEというメーカーのフィロソフィーが詰まっている。

10.
じつはこれらの逸話は、
長い間語られてこなかった

bose019

ここに記載したエピソードの数々。BOSEは、これまであまり公式に披露したことがなかった。それはBOSEの製品を純粋に「音」だけでユーザーに感じてもらうため。どんなにいい話であっても、ユーザーが製品を選ぶ際に、邪魔になってしまうと同社は考えていた。

この記事は、BOSE創業50周年の一環として、特別に発信させてもらった。

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