なぜ、人は「悲しい音楽」に惹かれるのか?アジアと欧米で理由が違った!

悲しいメロディを聞いて感傷に浸るとなんだか癒される、というのも音楽の楽しみの一つかも。でも、なんで人は「悲しい」音楽を好きになるんでしょうか?悲しくなりたい人なんていないはずなのに。

そんな疑問を実際に検証した結果が科学誌「PLOS ONE」に掲載されました。どうやら悲しい音楽を聞くからといって、単純にさらに悲しくなるということにはならないようです。以下にその内容を紹介します。

悲しい音楽で
人は“安心”する

sad-music150817-03

ベルリン自由大学が行った調査では、悲しみを呼ぶ音楽がリスナーにどんな影響を及ぼすのかを調べました。

16歳から78歳までの様々な国籍(ヨーロッパ、アジア、アメリカ、オーストラリア、アフリカ)の男女で、音楽好きの人やそうでない人も含め計772名の人々にアンケート調査を行い、音楽を聞いた後でどんな感情が湧いたのか、不思議・超越・優しさ・懐かしさ・安らぎ・力強さ・喜び・緊張・悲しさの9つの選択肢から選び、その他7つの項目についてコメントを行ってもらいました。

すると、悲しい音楽はリスナーのいくつかの感覚に強い影響を与えていることが判明。とても複合的な要素が絡み合っているようですが、想像力を強化し、感情を安定させ、さらに、感情移入や共感の度合いをより強くし、現実の出来事を無効化するような感覚を覚えることがわかったそうです。
つまり、悲しい音楽を聞くことで現実逃避が可能となり、辛いことを忘れ精神を安定させるような効果が認められたということ。

悲しい音楽を聞くことには、その性格とは反対とも言える効果があることがわかりました。

最も影響があった感情は
“懐かしさ”だった

sad-music150817-05

調査によれば悲しい音楽を聞くことで最も大きな影響があった感情は「懐かしさ」だったそう。さらに、ハッピーな音楽を聞いた場合と比較したところ、悲しい音楽を聴くことで負の感情を抑制するだけでなく、慰めのような効果を得られることも判明。

毎日、聞くことでモチベーションを高めることもでき、心理的にいい効果があるそうなんです。

また、記憶とも密接に関係がある音楽は、その場の状況とも深い繋がりがあります。悲しい音楽を聞くことで過去を追体験したり、認知能力、社会性、記憶の復活、友達、気分の向上など多くの要素に影響を及ぼしていたようです。

東洋人は“安らぎ”を感じる

sad-music150817-07

文学などに現れる感情表現の描写の違いが興味深いということもあり、その認知や抱いている感情の違いを西洋と東洋で比較した調査も行われました。

結果、両者では悲しい音楽を聞いた時に最も影響のあった感情が違っており、東洋は「懐かしさ」の他にも「安らぎ」の感情を抱きやすいという結果に。

さらに、分析の結果をみることで記憶からのプロセスが自己認識に強い繋がりをもっていることがわかったそう。

西洋人はより個性を主体とした自己認識を持っており、一方東洋ではより集団を主体とした相互依存による解釈が大きな割合を占めていることが分かりました。

同じ音楽を聞くにしても、育った文化によって聞こえ方が変わる結果はとても興味深いもの。日本人にとっては「安らぎ」や「社会認知」を得るために悲しい音楽が好まれる傾向にあると言えるのかもしれません。

なんとなく、悲しい音楽は暗いから聞きたくない!なんて思う人も多いかもしれませんが、辛い時に無理に明るい曲で心をごまかすよりも、思いっきり悲しい曲をきいて感傷に浸ってしまったほうが気持ちをスッキリ切り替えることができるのかもしれませんね。

Licensed material used with permission by PLOS ONE (Liila Taruffi , Stefan Koelsch)

「心理学」と聞くとちょっと固いイメージがあるかもしれませんが、じつは幸せになるための考え方や成功の秘訣、コミュニケーションのコツなど、身近な問題解決のヒン...
海外旅行に行った先で「日本人?韓国人?中国人?」とたずねられたこと、一度はあるのではないでしょうか。「だから何?」という気持ちでモヤッとするし、中には不愉...
フェスやライブ会場にいるとき、何かに取り憑かれたような高揚感に浸れるのには理由があった。心地いい音楽によって、単に自分がハイになるだけでなく、周囲の人々か...
勉強や仕事中、音楽を聴きながらの方が集中できる、という人がいます。半ば自己暗示でしょ?と思うかも。ですが、「Mic」の記事によれば、どうやら音楽が脳に与え...
愛する彼とのセックスはいつだって幸せなもの。でも、そこに音楽を加えるだけで、二人の満足度はより高まるようです。「Elite Daily」のこの記事は、女性...
音楽が心にもたらすメリットは、様々なところで語られていますが、「I Heart Intelligence」に掲載された記事は、それをまとめて紹介したもので...
いま、世界中で1本の指だけにマニキュアを塗る男性が現れているという。ファッションとしてではなく、どうして男性がそのような行為をするのか?そこには、悲しい理...
今現在、「復縁したい!」と強く願っている女性も多くいるでしょう。しかし元カレとよりを戻したいと思ってしまうのには、このような復縁したいという心理が作用して...
思いっきり泣いてしまいたい時ってありますよね?恋人、友人、家族など大切な人との離別や、仕事でうまくいかなかった時などなど。でも、音楽を聴きながら感情にまか...
ひょっとして、彼は私に気がある?それともただの友達と思っている?好きな人だからこそ、彼の一挙一動にドキドキしてしまいがち……。そんなあなたにこそ役に立つ!...
プレゼンの成功とは何でしょうか。その1つには、聴衆の記憶に残ることが挙げられます。たとえおもしろいプレゼンをしても、プレゼン内容が聴衆に覚えてもらえなかっ...
運命の恋なんて存在しない。愛はコントロールすることができる!そう提言するのは、John Alex Clark氏。恋愛心理学の分野で有名な彼が、「Thoug...
この問いかけを確かめようと調査を行っているのは、ノースセントラル大学で教鞭を振るうPatrick McNamara博士。ボストン大学で心理学の博士号を取得...
昔、私はとある大学で心理学の教授を務めていました。私は自分の教えるテーマ、心理学が大好きだったので、皆がこの授業に夢中になるはずだと思っていました。しかし...
音の無い世界で生きる人たちがいる。耳の聞こえない聾(ろう)者たち。彼らに楽器が奏でるメロディーや歌声は聞こえない。しかし、決して音楽の無い世界に生きている...
「女心は秋の空」とは変わりやすい秋の空模様のように、女性の気持ちは移り気ということを上手に表現したことわざですが、その言葉通り、意中の女性の気持ちが全くわ...
人気のある音楽ジャンルと聞くと何を思い浮かべるでしょう。ポップスか、はたまたロックか。音楽史において最も影響力のあるジャンルとは一体…。これは、2015年...
スーツを着ている人を見ると、真面目で仕事ができそうな印象を受けるものですが、心理学的には着ている本人にも影響があるのだそう。興味深い研究結果が出ています。...
多くの女性は、男性を好きになると優しくしたり、身の回りのことをやってあげたくなったりします。好きな人のことを考えると胸がドキドキして仕事も手につかなくなっ...
母親がやさしく語りかける声が、子どもの脳の発達に大きく貢献している。こんな研究結果がアメリカで発表されました。「CNN」や「TIME」、「Daily Ma...