ほとんどの日本人が知らない、お金に関する「6の真実」

インターネットの登場により、お金と人の関係は劇的に変化しました。人と人とのつながりをより重視する世の中へと価値が変化しています。

自著『なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?_21世紀のつながり資本論』では、その変化した価値観と、これからの「新しいお金の世界」を紹介しています。私たちは、お金を持っているだけでは、もう幸せになれないのです。

 

01.
電子化されたお金は
永遠に変わらない

Businessman contemplating

お金の特性として重要なのは腐りにくく、変わりにくいという「不変性」です。お金はその不変性から強力なパワーを持ちます。

魚や果物などの生ものは、売り手は一刻も早く売ってしまいたいので、安くせざるを得ません。一方、対価として差し出すお金は違います。お金は腐らないので、いつまででも持てるのです。この不変性に基づいた絶対的な交渉力こそ、お金だけが持つパワーなのです。

お金は金から紙を経て、ついに実体を持たない電子情報「ビット」へと進化しました。お金は今や朽ち果てることのない、永遠に近い不変性を手にいれたのです。

02.
増殖し続けるお金は
もはや意味を持たない

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お金が永遠に近い不変性を手に入れた結果、利子やレバレッジといった信用創造の手法により、帳簿上のお金だけがどんどん増えていくことになりました。

一方で地球上にある資源は限られており、すでに奪い合いが始まっています。電子上のお金を増やすだけでは理想を実現する力は得られません。それどころか、私たち人間にとって、もはやお金自体の価値が消え失せつつあります。

「新しいお金の世界」では奪い合いではなく、「共有」や「共創」することが必要になってきます。

03.
「信頼の可視化」が
新しい価値を創る

「新しいお金の世界」の到来を感じるものとして、「カウチサーフィン」という仕組みがあります。これは、世界中の宿を探している旅人と、泊めてあげるよというホストをマッチングするサービスです。

私は世界中でこのサービスを利用し、ステキなホストたちと出会い、泊めていただきました。実際は多くのホストが食事はもちろん、街の案内なども行ってくれます。そしてすごいのは、それに対する「金銭的な対価」を要求されたことがないという点です。

このサービスが成立するのは、「ホストもゲストも互いを評価し合い、その結果が公開されている」という点にあります。これが「信頼の可視化」です。

その人物が信頼できるかどうかは、お互いにとって重要な問題です。その評価が可視化され、公開されているのです。そして、自分自身もホストが安心できるだけの信頼関係を多くの人との間に築いておこうとします。

04.
信頼をお金で買う必要が
なくなった

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これまでの世界では、お金が信頼の媒介物としての特性を強めて以来、「信頼をお金で買う」ということが行われてきました。例えば同じような服でも、企業やブランドによって、品質に寄せる信頼として、支払う金額は変わります。

しかし、情報技術の発展によって、世界中の1人1人が持っている信頼の「質」と「量」が言語化され、記録され、公開され、可視化されるようになりました。私たちは「信頼をお金で測る」「お金で信頼を買う」という行為を必要としなくなったのです。

05.
「消費」は人を
豊かにしない

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私たちのお金を使う目的も変化しています。私たちはお金を使って買った商品やサービスを、自分1人で消費することにそれほど大きな喜びを見いだせなくなっています。「消費」という行為そのものは、私たち自身を豊かにすること、すなわち信頼関係を築くことにつながらないということに気付き始めたのです。

観光も体験や、人とのふれあいによるストーリーがなければ見向きもされない時代になっていると、旅行代理店の方に伺いました。商品やサービスを利用する際、私たちは、それを自分1人だけで楽しむのではなく、それを通じて誰かとつながり、そこから生まれる喜びや付加価値を誰かと分かち合うことを求めるようになっているのです。

06.
幸せになるために必要なのは
お金ではなく「信頼関係」

私たちがお金を通して求めるものが変化しているのですから、お金の稼ぎ方もそれに合わせて変えていかなければなりません。

これまでは幸せになるためにはお金が必要でした。ですが、いまや単にお金をたくさん持つだけでは幸せにはなれません。

クラウドファンディングという新しいシステムがあります。これは簡単にいうと、インターネット上でやりたいことを主張すると、それに共感した誰かが資金を提供してくれる、という仕組みです。その際の見返りは「子牛1頭の命名権」「出来上がった完成品をプレゼントする」といった、金銭的ではないものです。

私たちは、お金を稼ぐために働くのではなく、他者とのつながり(=信頼関係)を築くために働き、自らを成長させ、結果として理想を実現する力と、それに必要なお金も手に入れることができるようになる。そんな新しい世界を生きているのです。

なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?_21世紀のつながり資本論
コンテンツ提供元:いろは出版

 

 

 

渡邉賢太郎

大学卒業後、日本FP協会、認定AFP(=アフィリエイテッド・ファイナンシャル・プランナー)取得。リーマンショックを機に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券を退職。2011年5月から2013年4月まで、世界一周の旅に出る。帰国後、NPO法人ETIC.に入社。自分らしく生きる人々の挑戦が応援される社会をテーマに、起業家が育まれる「挑戦者の生態系」構築を目指して奮闘中。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。