糖尿病や心臓病が未然に防げる「鏡」って?

最新のスマートデバイスと「健康」には深い関係性がある。流行りのウェアラブルと言えば、走った距離や道のりどころか心拍数や消費したカロリーまで管理可能。中には日焼けのしすぎや脱水症状をアラートするものもあるくらいだ。

もっと言えば、すでに健康状態を分析できるデバイスは医療分野でも活躍中だ。Apple WATCHを患者に配ることで無駄な診察を減らし、常時バイタルを確認して緊急連絡できるようになった事例もある。

ここで紹介する「鏡」もそのうちの一つ。しかし、従来のものよりもずっと日常に溶け込んだ形で利用できそうなところが興味深い。

鏡を覗くだけで
病気がわかる未来

イタリアの研究評議会(NRC)のリサーチャー達は、3Dスキャナーやビデオカメラ、ブレスモニター、画像分析システムなどを使ったスマートミラー「Wise Mirror」を開発している。

顔の筋肉や血行、酸化状態、呼吸や表情を分析して病気を早期発見することができるこの鏡は、心臓病や糖尿病の他、高血圧、鬱病まで認識する。必要な時間はわずか60秒。なにか身につける必要もない。歯磨きでもしている間にいつの間にか終わってしまう。

コンセプトは以下のとおりだ。

「慢性的な病気は予防することこそがもっとも経済的な治療方法です」

記号学で表情の要素を読み取り、生活習慣が原因になるであろう慢性的な病気を未然に防ぐことが可能になるというわけだ。

さらに、読み取れるのは表面的な要素だけではない。表情パターンから心理状態まで分析することができ、恐怖や不安などストレスの状態だって読み取るという。上の動画では、映画などを見る表情から心理状態を分析する様子が確認できる。

この技術を使えば、もっと日常的な体調を知ることも可能だろう。寝不足やその日のパフォーマンスだって教えてくれるかもしれない。「Siri」のような人工知能の気の利いた一言に一喜一憂しながら、毎朝の健康診断を楽しむーーそう遠くない未来、そんな日がやってくることを期待させる“鏡”だ。

Licensed material used with permission by SEMEOTICONS

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