みるみるコミュニケーション力が身につく「9つのトレーニング」

谷本有香

経済キャスター/ジャーナリスト。証券会社、Bloomberg、日経CNBCなど金融経済番組のキャスターとして従事、日経CNBCでは初の女性経済コメンテーターに。2011年からフリーランスで活動中。英ブレア元首相やマイケル・サンデル ハーバード大学教授の独占インタビューはじめ、マレーシアのマハティール元首相やハワード・シュルツ、スターバックス会長兼CEOなど世界の1000名を超える著名人にインタビュー実績あり。テレビ朝日「サンデースクランブル」にゲストコメンテーターとして不定期出演中。

「準備⇒本番⇒フォロー」の3ステップに沿って学んでいくことで身につく、プレゼンや商談、面接で役立つコミュニケーション術「アクティブ リスニング」。

ここではアクティブ リスニングの基礎力を磨くトレーニング方法を取り上げます。9つのトレーニングでテクニックを本物に変えていきましょう!

01.
相手の話を最後まで聞く

優秀な人ほどやってしまいがちなのが「話の割り込み」。本人としては相手の言いたいことを早めに理解して早く答えを教えてあげたいと思っているのかもしれませんが、往々にして逆効果となります。

誰だって自分の言いたいことは最後まで話したいはず。途中で話の腰を折られたり、先を越されたり、まして自分が話し終える前に反論を聞きたいと思っている人はいません。

02.
長所を5つ見つける

あまりよく知らない人を選び、期限を決めてその人の長所を5つ挙げてみるトレーニングです。

長所はなんだって構いません。身だしなみや持ち物、歩き方や言葉遣い…長所を5つも見つけるには、相手をよく観察してみないといけません。観察している内に、相手への理解が深まっていくのを実感するはずです。

03.
相手に提供できる
メリットを
5つ考える

一緒に仕事をしてみたい人を想像するといいでしょう。その人に何が提供できるでしょうか?こうやって、誰かに提供できるメリットを探す場合、自分の強みを探す作業がベースになります。
それには、相手と差別化できるところ、自分が人から求められている役割、自分にしかできないこと、得意なこと等に着目する必要があるでしょう。

04.
目標と話の流れを書き出す

私たちはともすると、相手と会って話をすること自体が目標になってしまうことがあります。忙しかったり、ほかに気になることがあったりすると、余計にその傾向が強くなります。しかし、コミュニケーションはあくまで手段であって、そこには自分の目標があるはずです。

そこで、人と会う前に目標と話の流れを書き出してみましょう。短時間でいいので考える時間をとり、メモしておくだけでコミュニケーションの生産性が格段にあがるのがわかると思います。

05.
親しくなるプロセスと
質問を考えてみる

アクティブ リスニングを身につけるには、いろんな質問をタイミングや相手の状況に応じて考え、使いこなしていくことが不可欠です。例として、あまりよく知らない異性と親しくなるためのプロセスと質問を挙げてみます。何度か試してみると、話の流れをイメージする力がつくはずです。

1.顔見知りになるため関心を探る
「よく休み時間に本を読んでいるけど、どんなジャンルが好きなの?」

2.強みや特徴をアピールする
「簿記の勉強をはじめたんだけど、よくわからなくて。確か経理部だったよね、教えてくれない?」

3.親しみと信頼感を持ってもらう
「プロジェクトの参考になりそうな記事があったから、あとで送っておくよ」

4.共通の目標を持つ
「営業先の近くにオシャレな一軒家のレストランがあってさ。今度行ってみない?」

06.
違う立場で理由を
3つ考えてみる

これは他人とは違う自分らしい質問ができるようになるためのトレーニングです。

例えば「就職するなら大企業がいい」という意見を聞いたら、
「待遇はいいけどスキルは身につくのか?」
「就職を日本の中だけで考えていいのか?」
「資本金と安定性は本当に比例するのか?」
などとすぐに言語化してみましょう。感性と反射神経を磨くことができます。

07.
自分らしい言葉を集める

知人や家族、友人に自分が使った言葉やフレーズで印象的だったもの、「いいね」と思ったものを教えてもらいましょう。意外に自分ではそれほどでもないと思っていた言葉やフレーズが相手に響いていたりするものです。

また、自己紹介であれば名前にひっかけて「身体は小さいですが大木と申します」「おしゃべりなのに名前は静香です」などというフレーズはインパクトがありますね。

08.
主語と述語をはっきりさせる

日本語は主語と述語があいまいで、日頃の会話でも誰が何をするのかよくわからないことがあります。質問をクリアにするには主語と述語の対応をはっきりさせましょう。

例えば「〜についてどう思いますか?」という、いかようにも答えられる質問ではなく、具体的に「〜は好きですか、嫌いですか?」「〜に賛成ですか、反対ですか?」というように、YESかNOで答えられるようにしてみます。何度か繰り返していると、ピンポイントで自分が聞きたいことを引き出せる質問のつくり方がわかってくるはずです。

09.
アクティブ リスニングを
身近な人で試す

ここ一番で力を発揮するアクティブ リスニングですが、普段の生活の中でも応用して使うことができます。もちろん3ステップを事細かに行う必要はないので、コンパクトに実践してみましょう。

最初のうちはなんだか照れてうまくいかないかもしれませんが、何事も慣れです。何度か繰り返すうちに、「アクティブ リスニング」の3つのステップのやり方が身についているはずです。

コンテンツ提供元:谷本有香

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