新しい時代に適応しつつある、日本の若者5つの特徴

ジョン・キム
作家
韓国生まれ。2004年から2013年まで慶應義塾大学特任准教授を務める。オックスフォード大学、ハーバード大学などで客員研究員を歴任。著書に『媚びない人生』(ダイヤモンド社)、『時間に支配されない人生』(幻冬舎)、『断言しよう、人生は変えられるのだ。』(サンマーク出版)など多数。最新刊は『ジョンとばななの幸せって何ですか』。2013年からは、パリ、バルセロナ、フィレンツェ、ウィーンに拠点を移し、執筆活動中心の生活を送っている。元音楽プロデューサー四角大輔氏とのコラボサロン『Life is Art』主宰。「女性自身」に連載を持ちながら、女性のひとり起業を応援するV2F Academyを今年3月よりオープン予定。

日本は停滞しているように見えるかもしれないが、生活感や幸福論において静かな革命が起こっているように私は思う。それは、特に若い人たちを中心に広がっている。自著『不安が力になる』より、その「静かな革命」の内容を紹介しよう。

01.
人生の指揮権を
他人に奪われることを嫌がる

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慶応大学で教えていたときに学生に話を聞くと、お金を稼ぐことにあまり興味がないことが多く、驚かされた。彼らは口々に社会貢献に対する意欲を示した。世間で有名かどうか、給料が高いかどうかなど、いわゆるステータスで自分の仕事を決めようとはしていなかった。私は、日本の若者の中に、自分の人生、そして社会を真剣に考える余裕が生まれているのを感じている。

かつての高度経済成長期の人々は、組織の責任を自分で担うという意味で、責任感の強い人がたくさんいた。しかし、今の若者にはそういう気概をあまり感じない。それよりも、今の若者は、自分の人生の責任を自分でとりたいと考えているようだ。だから自分の人生の指揮権が奪われることにセンシティブだ。

自分自身の人生に責任を持って、自分の人生をデザインしながら生きていく。今の日本の若者に見られるこのスタンスは、物質的充足が満たされた時代に適応した、人間の一つのあり方なのではないかと思う。

02.
幸せの価値基準を
自分で計れる

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他者と比較し、相対的に幸福を捉えると、どこまでいっても充足感は得られない。自分が年収一千万円を稼いだとしても、周りが当たり前のように千五百万円の年収をもらっていたら、まだ足りない、不幸だと感じてしまう。だが、幸福度というのは、欲求の量に対して、どれくらい所有しているかで決まるのだ。

日本では、必死に稼がなくてもある程度の衣食住を確保できる社会が実現した。その結果、社会から与えられた価値観によって幸福を感じるのではなく、何を幸福とするかを自分で定義する人が増えてきた。

若い世代の方が、幸せを自分の価値基準で計ることができているようだ。周りがどうであれ、自分が満足すればそれが幸せだという考え方ができるのだ。

03.
呼吸をするように
デジタルツールを使いこなす

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今の日本の若者は、対面では自分の中で計算して、人とぶつかることを回避する傾向がある。一方で、ソーシャルメディア上では、積極的に自分を表現する。

加えて、今の世代は呼吸をするようにデジタルツールを使いこなす。デジタルツールが生活の中に入り込み、ソーシャルメディアを24時間使い続けて人とコミュニケーションを取っている。

もちろんそのために、彼らの「孤独」に対する免疫力は落ちているし、ソーシャルメディアだけでは、実社会で通用する社会性は身につかない。しかし、ソーシャルメディアはリアルな関係性を保管し、豊かにする材料を投げてくれるというメリットは確実にある。またデジタルで繋がるだけでは空虚感が生まれるため、リアルなものに関わりたいという欲求が生まれる可能性もある。

若い世代は潜在的に、デジタルとアナログを創造的でシナジーを生む関係性に変えていく力を持っていると、私は感じる。

04.
失望したくないから、
過剰な期待はしない

今の日本の若者は、一見したところ自立した自分というものを持っているように見える。しかし、実は自立する能力がそんなに身についているわけではない。彼らは積極的に自立しているのではなく、周りと一定の距離を保とうとしている結果、一人で立っているように見えるのだ。

彼らは国や社会が自分たちの生活を守ってくれるという実感を持っていない。全てを自分の中で完結させれば、失望に見舞われることもない。明日に対する希望を持つと失望する。様々なものに期待しないように、なるべく行動をおこさないように気をつけて育ってきたのだ。彼らの行動はリスクヘッジが基本だ。

しかし、行動を起こさないでいると、新しい出会いや偶然性、チャンスと巡り会う確率は確実に減る。彼らが自分の内的な力に気づく場を提供するのが、教育の役割なのだと思う。

05.
消極的に見えるようで、
実は成長意欲に溢れている

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私のゼミでも、毎年、授業を開始してしばらくは、学生がかなり構えている。自分自身を守るために、心の扉を開かないことに慣れてしまっているのだ。しかし、その態度は彼らが本物に出会うときに変わる。

私のゼミでは、日本の実業家から海外の大学教授まで、私が素晴らしいと思う方をゲストとして呼んでいる。学生はそのゲストが真に尊敬できる人物であると認識するやいなや、身を乗り出し、熱心に話を聞き、発言し、ときには涙を流すこともある。

私のゼミでは課題を一週単位でたくさん出して、あえて授業の準備や発表で忙しい状況をつくってきた。彼らは熱心に学び、どんどん成長していく。成長できる場を提供すれば、すばらしい成果を出すのだ。

若者について述べてきたが、実は超少子高齢社会である日本において問題を抱えているのは、自分の人生に対しての指揮権を所属していた組織に委ねてきてしまった中高年世代の方なのかもしれないと私は思っている。

不安が力になる
コンテンツ提供元:ジョン・キム

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