飲み込むだけでOK!体内環境をスマホでチェックできる「スマートピル」

ロイヤルメルボルン工科大学が開発した「スマートピル」は、飲み込むことで体内環境を調査し、そのデータをスマホなどで確認できるもの。開発したのは、過去にもモバイルで確認できる大気汚染検知器を製作した、Kourosh Kalantar-zadeh教授です。

自分の体に合った
食事・薬の服用が可能に?

テストは、人間と消化器官の仕組みが似ている豚で行われ、2つの食事療法を比較。食物繊維の摂取量が違った場合に、小腸と大腸でどんな変化が起こるのかを調査しました。

「ローファイバーダイエットをした場合、小腸で発生する水素の量は、ハイファイバーダイエットと比べ、4倍も多いことがわかりました。これまでは、食物繊維が多いほど発酵してガスが発生するものと考えられていただけに驚きました。このピルなら、体内で何が起きているのか、より正確に把握できます。食べものによってどんな影響があるのか、食事療法の効果や薬を飲んだときの反応も詳しくわかるようになるでしょう」

この調査結果から、いくつかの消化器系疾患の治療法を前進させる結果が得られたとか。さらに、これまでIBS(過敏性腸症候群)の治療には、ローファイバーダイエットが効果的だと考えられていましたが、真逆の結果に。いまのところ、動物での実験にすぎませんが、2ヶ月以内には臨床試験が予定されています。

2016年1月13日の「Mashable」によれば、将来的にだれでもどこでも購入できるようになり、自分の体に合った食事が分析できるようになるのだそう。食に関する健康効果の話題は流動的ですが、本来考えられて然るべき個人差をより正確に知った上で、健康的な食事や薬の服用ができるようになるかもしれません。

Reference:Mashable
Licensed material used with permission by RMIT University
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