落札額は全額陸前高田市へ。「奇跡の一本松」から生まれた万年筆、チャリティーオークションに出品

東日本大震災で甚大な被害を受けた陸前高田市の復興を願い、筆記具メーカー「MONTBLANC」がチャリティーオークションを実施する。対象となる商品は、あの“奇跡の一本松”から作られた万年筆、「モンブランマイスターシュテック 奇跡の一本松」だ。

「保存より復興のために…」
試作モデルをオークションへ

今回出品される万年筆は、2015年3月11日に日本国内のみで113本限定販売され即日完売となったものと、同企画で製造された試作モデルだ。同社によると、記者発表会やテレビ番組でのプロモーション用に発売前に作られたものだそう。そのため、インクの充填や試し書きはされたものの、その他仕様は変わらない。

もともと、永年保存が決まっていた試作モデルの万年筆だが、あの震災から5年の節目に陸前高田市のさらなる復興を願い、今回のチャリティーオークションの実現に至ったという。

落札額は全額、
陸前高田市へ寄付

枯死により切り落とされた松の枝を使って万年筆を作りたい──。2012年「奇跡の一本松」復元プロジェクトを指揮していた戸羽太陸前高田市長は、「断られるのを覚悟でMONTBLANCに協力を依頼した」と当時の心境についてインタビューに答えた。

市の情熱は同社の心を動かすには十分だった。MONTBLANC社は、想いの詰まった枝をドイツ・ハンブルグの本社へと持ち帰り、3年余りの歳月をかけて、特別限定万年筆「モンブランマイスターシュテック 奇跡の一松」を生み出した。

113本の万年筆にはシリアルナンバーが刻印され、No.1は陸前高田市へと送られた。ほか112本は震災4年目の当日のうちに完売し、売り上げの20%も同市の復興のためにと寄付された。今回のオークションによる最終落札額も、全額陸前高田市に寄付する予定だという。

入札締め切りは
3月25日(金)18時まで

陸前高田市と東北の想い、さらには創業110年の伝統とクラフトマンシップが融合した万年筆。最低入札価格は、2015年に販売された112本と同じ48万1,000円から。特別な意味と価値を内包した筆記用具は、決して安価なものではない。

今回のチャリティーオークションに興味ある人は、入札ガイドラインを確認の上、こちらから入札フォームがダウンロードできる。

入札条件は3つ。

・日本国内在住者であること

・個人であること

・転売目的ではないこと

Licensed material used with permission by MONTBRANC
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