世界最小の「システムキッチン」。もう、我が目を疑うしかない・・・

エネルギー資源の浪費を抑えた、環境にやさしい持続可能な暮らし方。今や現代人の共通言語として定着した感がある。モノを所有せず、シンプルに暮らす「ミニマリスト」や「タイニーハウス」に人気が集まるのも、こうした背景からだろう。

だが、方法は他にいくらでもある。たとえば、モノ自体のサイズを小さくすることで、エネルギー消費そのものを抑えるというアイデアしかり。

コンパクトさを徹底追及
これが、本当にキッチン?

よもや、このキャビネットのような風貌がキッチンだとは……。言われない限り、いや言われたところで信じられない。違う?

けれど、この中にしっかりシンクも、コンロも、冷蔵庫も、そしてダイニングテーブルまで装備しているというのだから。そのサイズ(縦600×横600×高さ900mm)を聞いて、なお疑いは深くなる。が、もう我が目を疑うしかない全容をご覧あれ。

キッチンは、
ここまで小さくなる!

この通り、完璧なまでにキッチンにトランスフォーム。これは、確かにキッチンだ。

料理をするときだけ、その機能を引っ張り出してきて、あとは小さくコンパクトにまとめておく。キッチンが小さければ、揃える調理器具だって必然的に最小限。もちろん、住空間もタイニーでいられる。

引き出し式のIHクッキングヒーターは、このサイズでもしっかり2口。ヒーター下には電子レンジ、もしくはオーブントースターを収納するスペースも完備しているという。コンパクトでも必要な機能はすべて兼ね備えている。

もちろん、小さすぎることは確か。けれど、これだけで十分と感じる人たちも多いはずはずだ。

最小限の機能で
満足できる世の中へ

アパート暮らしの独身生活者に向けて、“おひとりさま”システムキッチン「Gali」のデザインに挑んだのは、マドリードの建築デザイナーAna Aranaさん。ひとり暮らしの人たちをリサーチして回った彼女は、彼らが毎日台所に立つ訳じゃなく、中には必要としない人も多いことに気づいたという。「ならばいっそ」、とエネルギー効率やモビリティを再構築し、必要最小限な機能を残し、極限までコンパクトにするリデザインを実現してみせた。

今のところコンセプト段階というが、タイニーハウスやディンクスが珍しくない世の中である限り、極小キッチンの需要も少なくはないはずだ。そう考えると、Galiの実装も急に現実味を帯びた話に思えてくる。


Licensed material used with permission by Ana Arana
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。