【研究結果】家事の時に〇〇するだけで、セックスレスにならない!?

夫婦円満の秘訣は互いに「平等」であること。現代社会においては、夫が稼いで妻は内助の功に徹する、なんて構図の方が珍しいくらいです。

じゃあ、掃除や洗濯、料理に育児、こうした家事をいかに分担できるか。これが結婚生活のカギを握る重要なポイント。もちろんそんなの当たり前でしょう。でも、こうした家事がセックスの頻度と大きく関係してくると聞いたら?

意外に“役割分担”が重要?
よく手伝う夫=SEX減の原因

掃除や洗濯、皿洗いなど、これまで妻が担ってきた家事を夫が手伝っているカップルは、セックスの回数が少なく、月間平均は5回程度。これは2013年2月に「American Sociological Review」に発表された論文の内容です。マドリッドにあるファン・マルチ研究所とワシントン大学が、全米家族調査(NFSH)による夫婦4,500組のデータを分析し、たどり着いた結果だそう。

逆に平均回数が上回ったのは、伝統的に男性の受け持ちとされるような庭仕事だったり、マイカーのオイル交換などを夫がしている場合。つまり、これらの仕事に妻が手を出すと「女性らしさ」に欠け、魅力的なシグナルが低下してしまい、逆に洗濯や掃除をする夫からは「男性らしさ」を感じなくなる。

当時の「New York Times」を見ても、「家の中の家事を頻繁に手伝う男性は、月の平均で1.5回ほどにロスをしている」という結論を元に、家事分担によるセックスレスへの警鐘を鳴らしていました。

ところが、今年に入ってこれまでのそうした定説が覆されるような研究結果が発表されたのです。

家事も育児も夫婦で“シェア”
セックス頻度がUPする

コーネル大学の新たな研究はこう述べています。「『New York Times』の特集記事は“違いが性欲を生む” という見出しの発端となった時代遅れの古いデータによるもので、最新の統計では全く逆の効果を示している」と。

たしかに、その解析データは1992年から94年にかけて実施されたもので、すでに20年以上が経過しています。「この20年の間に人々の結婚観は劇的に変化した」こう見るのが、研究を指揮した人口統計学者のSharon Sassier博士。

「Journal of Marriage and Family」に今月掲載する論文によると、家事を平等に分担する夫婦の場合、セックスへの満足度は高くなることが分かったそうです。実際、ひと昔前の世代よりも頻繁にセックスすると応えた夫婦は、男女ともに家事をシェアし日常的にこなしているんだとか。

「従来とは異なる家事の分担方法と、セックスの頻度の関係性は、過去20年間で劇的な変化を遂げました。2006年時点では家事を平等に分担していると述べたカップル(特に夫が家事の全体の1/3程度から最大65%を担う)は、夫婦どちらかだけが65%以上の家事を担当している場合に比べ、頻繁にセックスをしていることが判明したのでです」。

現代の結婚観においては、
“平等”こそが性欲を掻き立てる

では、なぜ夫婦間の家事分担がこのような変化を生むのか?これについて Sassier博士は、夫が多くの家事をこなしているとき、パートナーには関係の公平さや、満足度が高まるからとの見解を示しています。すなわち、カップルが自分たちの関係に満足できていることが、セックスの頻度を高める決定打となる。そして、ここでの隠れた要素は「子育て」にある、と強調。

さらに「TIME」には、歴史学者Stephanie Coontz氏のこんな主張も。

「従来のように、結婚は2人の欠点を補うために協力しあう形から、共通の興味、活動、感情に基づくものへと変化しつつあります。このことは、コーネル大学の研究論文の内容を裏付けるに十分でしょう」

かつて、性的欲求の基盤にあったものは“個性や違い”でした。それが今や“平等さ”こそが、制欲を掻き立てる重要な要素になりつつある。その理由の一つに、結婚前の同棲生活を挙げるSassier博士。そうしたカップルの女性は、いわゆる「女仕事」とされる家事を過大に担うことにストレスを感じるし、自由な時間を自分だけ割かれることにも不満を抱くはずで、ここを男性側が進んでフォローすることに、セックスの頻度アップのカギがあるというのです。

もしも、“レス気味”とどこかに不安を感じているのなら、家事の分担からはじめてみるといいかも。

Reference:New York Times, TIME,
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