4人のクリエイターが、死と向きあいながら撮り続けた「2万キロの自転車旅」

『イージーライダー』『モーターサイクル・ダイアリーズ』『テルマ&ルイーズ』……。ロードムービーが描く、美しい風景と美しいストーリー、その世界観が好きな人も多いはず。

でもここで紹介するのは、そういったフィクションの話ではありません。4人のクリエイター集団「ペダルサウス」が、実際に北米〜南米を縦断した14,000マイル(約2万2,500km)のドキュメンタリー。

作為的に作られた冒険ではなく、本当のアドベンチャーストーリーなのです。

750万円を集めた壮大な
クリエイティブプロジェクト

プロジェクトの中心になったのはライターのダイアー、27歳。彼が「テキサス4,000マイル」というイベントを、癌研究のチャリティで自転車で走りきり「自転車旅のロードムービーを作りたい!」と思ったことがきっかけでした。

ダイアーは同世代のトーマス[フォトグラファー]とリライ[映像作家]、そして9歳年上のリカルド[映像作家]と出会い、自分たちでアラスカからアルゼンチンまでアメリカ大陸を縦断する旅を計画しました。クラウドファンディングや寄付で集まった資金は、なんと75,000ドル(約750万円)。

4人は、2014年6月12日にアラスカ州アンカレッジを自転車で出発。1年9ヶ月をかけて14ヶ国を旅し、アルゼンチンのウシュアイアまで無事たどり着いたのでした。

つねに「死」と共存した
14,000マイル

Photo by Pedal SouthFacebookInstagram

スタートしたアラスカ州の6月は、一年でもっとも日照時間が長く、日没は1日のうち2時間しかありません。道路は砂利と泥。旅自転車として実績のある彼らの「Surly」も太刀打ちができないものでした。進める距離は1日平均50マイル(約80km)ほどのタフな旅。

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ユーコンでは野生のクマと遭遇したり、ペルーではトーマスがダウンヒルで大クラッシュして入院することになったり。道中はつねに死の危険と共存。強盗に襲われてカメラ機材が奪われてしまった、なんてことも…。

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映像作家のリカルドは言います。「毎日が強烈すぎる体験だった」と。

カラダを張って味わった
アメリカ大陸の魅力

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もちろん彼らは、ただ美しい風景を切り取ってきただけではありません。

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サンタバーバラの先進的な「都心型農業」に目をつけ、密着ドキュメンタリーに仕立て上げるといった着眼点は、さすがの一言。

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ベニスビーチのポートレイトは、たとえば35年ここでローラースケートを続けてきたミスターダンディーを撮影していたり……

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メキシコのウアトゥルコでは、ウミガメの赤ちゃんが海に帰る瞬間を捉え……

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ただの「旅の軌跡」に終わらないのが、この「ペダルサウス」一番の魅力。

旅を、追体験しよう

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彼らは、旅の記録を2冊の本や、映像作品という形で編集中。撮影データはなんと、1,500時間&60,000枚以上!2017年の夏には、集大成とも言える90分のドキュメンタリー『ペダルサウス』がアメリカで公開予定とのこと。

 

そこまで待てないという人は、彼らのWEBサイトやSNSに掲載されている写真を眺めるだけでも十分に楽しめるはず。

 

Licensed material used with permission by Pedal South
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。