独立するとき「シビアに向き合うべき5つのこと」

「独立したい」「起業したい」「フリーになりたい」。ビジョンがどれだけ明確かどうかは別として、今、密かにそう考えている人もいますよね?志は大いに、大きく持ちましょう。それは大きければ大きいほどいいはずです。

と、同時に足元をしっかり見据えることが必要なんです。そこから目をそらしては絶対にいけないんです。独立を考えているなら、いずれ直面するコト。それと今のうちにとことん向き合っておくのは、悪いことではないはず。始動を早くするためにも。

たまには、こういう記事でシビアな視点があってもいいですよね。ふんわりした夢物語だけでは、ビジネスを回していくことはできないのですから。

01.
その独立に、「WILL」はある?

独立において大切なのは、SKILLよりもWILL、つまり「意志」。あなたが頭に思い描いている独立は、「なんのために」という目的と意志が明確ですか?

好きなことのため、子どものため、旦那さんを支えるため、両親のため、解決するべき社会課題のため…「なんのため」は、人それぞれ様々なケースがあります。目的が明確であればあるほど、その目的を完遂する意志が強ければ強いほど、自分の能力を最大化して何でもできるようになるんです。目の前の嫌なことだって、大きな目的のためだったら乗り越えられます。

02.
「何でマネタイズするか」から
逃げてない?

次に向き合うべきはビジネスモデルでしょう。どんなに美しい目的意識があったとしても、どんなに目新しく面白そうな商売でも、利益を出し続けられるビジネスモデルでなければ意味がないからです。ここの見積もりが甘いうちは、中途半端にスタートするべきでないと言えます。

独立に際して金銭的なサポートを受けられる人もいるでしょう。だとしても、マネタイズの方法を突き詰める作業をおろそかにしてはなりません。「失敗しても、夫がいるから…」と思わないほうがいいし、知人に対してもそのような言葉は絶対にかけるべきではないのです。その油断が、ビジネスを頓挫させるから。

03.
「攻めるため」の蓄えは充分?

自分が煮詰めた収益モデルが本当にワークするのか、それは実際にビジネスを始めてみるまで誰にもわかりません(そこが商売の面白さだと思いますが)。立ち上げ当初は、そのビジネスがどう転んでも生活できるように、先立つものが必要です。

それだけではありません。せっかく強い意志で何かを始めるのだから、そこで思い切ったことを試すための「投資金」も必要。たとえ失敗してそれがすべて消えてもいい、そう思えるお金を蓄えておきたいところです。

ただし、失敗した時には全力で振り返る事。なぜうまくいかなかったのか、そこから目をそらしては絶対に進歩はありません。

04.
「誰か一人」じゃなくて
多くの人を幸せにできる?

ビジネスには様々な規模があります。「別に顧客を何万人も抱えて儲けようというわけじゃない、自分にとって大切な人を幸せにするための仕事なんだ」という人もいることでしょう。

しかし、もし、あなたの考えたビジネスモデルで目の前の一人を幸せにすることができたとしたら、次にそれをスケールさせてより多くの人を幸せにできるかどうかを考えてみてください。結局、スケールできないビジネスは首が回らなくなり、自分自身さえ幸せになれない可能性があるからです。

05.
それは「社会課題」を
解決できる?

この項目は、「マスト」ではないかもしれません。でも、本当にそのビジネスをスケールさせて成功したいのであれば、外せない視点、これからの新しいビジネスのキーワードと言えます。

なぜなら社会課題は、大企業も行政も手をつけにくい、逆に言うとフットワークの軽い個人だからこそ、行き届いたサービスを生み出せる分野だからです。

育児、保育、雇用、環境問題…見渡せば、解決するべき課題はいたるところに。そこに目配りが利く人、いわゆる「社会起業家」と呼ばれる人たちは、今とても輝いています。

お手本は
「一人合宿でWILLを見出した女性」

今年の9月に『WILL Lab』を立ち上げた小安美和さんは、もしかしたら最もシビアに上記の項目と向き合ってきた一人かもしれません。リクルートという大企業に籍を置き、「Iction!」という社会課題に取り組むプロジェクトで活動しながらも、一方で小安さんはひたすら自分の過去、現在、未来と向き合ってきたといいます。

それを最も象徴するエピソードが、「一人合宿」。自分が人生で何を成し遂げたいのか?墓標に何と刻まれたいのか?一人でホテルに篭って雑音をシャットアウトし、ひたすら自分自身に問いかけ続けたそうです。その結果、納得のいくビジョンをアウトプットし、30年先までマイルストーンを置きながら目指すべき自分像を明確にすることができたと小安さんは語ります。 

「言えば叶う」「大きな意志があればなんでもできる」

パワフルに語る小安さんの道はまだ途上。しかし彼女の目は、とことん自分と向き合ったという事実に裏付けられた、揺らぐことのない自信に満ち溢れていました。「一人合宿」、あなたもやってみる価値があるかもしれません。

小安美和

1995年、日本経済新聞社入社。2000年退社し、シンガポールへ。2005年に帰国し、リクルート入社。海外旅行サイト「エイビーロード」編集長、上海で結婚情報誌「ゼクシィ」担当。2013年、リクルートジョブズ執行役員就任。2015年、リクルートホールディングス「〜育児をしながら働きやすい世の中を、共に創る〜iction!プロジェクト」推進事務局長を経て、2016年3月リクルート退社。同6月、スイスビジネススクールIMD「女性のための戦略的リーダーシップ」修了。同9月1日、Will Lab設立。座右の銘は「Where there's a will, there's a way.(意志あるところに道は開ける。)」

ちなみに…

小安さんのインタビュー詳細は、パナソニックの「let's talk business women 〜自分らしく、しなやかに生きるために〜」でご覧になれます。豊富な経験から来る堅実さと、元来持つチャレンジ精神が生む大胆さが見事にミックスされた彼女の言葉は、読む人をぐいぐいと引き込み、貴重なヒントを与えてくれますよ。

小安さん以外にも興味深いエピソードを持った人がたくさん登場しているのでライフスタイルのヒントがほしい人はぜひチェックしてみてくださいね。