教えることに人生を捧げたピアニストに学ぶ、豊かに生きるためのヒント集。

映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』。50歳でピアニストとしての現役生活に自ら終止符を打って以来、教えることに人生を捧げてきた89歳のシーモア・バーンスタインさんのドキュメンタリーです。監督は、俳優という仕事に行き詰まりを感じていたイーサン・ホーク氏。シーモア先生の豊かさはもちろん、監督の、俳優ならではの視点の純度の高さにも全く深く感動します。他者との関わりを持つ全ての人に、おとながより豊かに生きていくためのヒントをご紹介します。

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ピアニストのシーモア先生と、監督であり俳優のイーサン・ホーク氏。

ひとりでいることを、恐れないこと。

57年間、同じアパートで暮らす人間を知っている?(イーサン監督:仙人とか?)近づきつつあるな。独りの生活が大好きだからね。私は孤独を糧にしている。独りの時間が不可欠だ。頭に浮かぶ考えをきちんと整理するために。

結果を、急がないこと。

自分の演奏に満足感を覚えたのは、50歳になった頃だ。伝えたいことを舞台で表現できるまでに、それだけの時間を要した。50歳になった時、誰にも内緒で、引退コンサートを決めた。

湧き上がる感情を、大切にすること。

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音楽の教師が生徒にできる最善のことは、生徒を鼓舞し 感情的な反応を引き出させること。音楽のためばかりではない。人生のあらゆる場面で、重要なことだから。

自然の美しさを、自らに取り込むこと。

音楽に対する最初の反応は、知的な分析なしに起こる。たとえば才能豊かな子供は、音楽の構造的なことや背景を知らずとも、音楽をとても深く理解できる。こうした無知さには、大人も学ぶことがある。だからこそ練習の時は、過剰な分析を避けるべきだ。そして音楽そのものの美が現れるままにする。さらに自分も、その美に感化されるままにする。禅の思想家は言った。“菊を描く者がすべきことは、自身が菊になるまで10年間、菊を眺めることだ”

人生にはさまざまなメロディーがあると知ること。

私は生まれつき知っていたのだろう――人生とは そういうものだと。衝突も喜びも調和(ハーモニー)も不協和音もある。それが人生だ。避けて通れない。音楽も同じで、不協和音もハーモニーも解決(レゾリューション)もある。解決の素晴らしさを知るには、不協和音がなくては。不協和音がなかったらどうか? 和解の意味を知ることもない。

自分のこころを信じること。

誰もが皆、人生に幸せをもたらすゆるぎない何かを探している。聖書に書いてある――救いの神は我々の中にいると。私は神ではなく、霊的源泉と呼びたい。大半の人は、内なる源泉を利用する方法を知らない。宗教が腹立たしいのは、答えは“我々の中にはない”と思わせていること。答えは神にあると。だから皆、神に救いを求めようとするが、救いは我々の中にあると私は固く信じている。

そして、こころのまま、伝えること。

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私の年齢になると、ごまかしを一切やめる。人にウソを言わなくなり、自分の心のままを語るようになる。相手が喜ぶことを言うのではなく、真実を言うことこそが、相手にとって最高の褒め言葉だと分かる。

映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』は、現在、シネスイッチ銀座、渋谷アップリンクにて公開中です。他、全国順次公開です。

シーモア先生は、むつかしい題材をもとに、私たちが大切にしたいことをさらりとお話してくださいます。それらは、人はいかに生きるべきかということにもつながる奥深い教えに満ちています。シンプルに、日々やるべきことを、嘘つかずに、誠実に。暗闇に、穏やかな笑い声が響く、とても励みになる映画です。

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