風の通り抜ける学び舎。「森の幼稚園」を知ってますか?

森の中に入って目をつむると、つぼみが開いていくように、感覚が研ぎ澄まされていくのが分かります。頬を撫でる風、緑のにおい、鳥の声。自然のものに触れると、ほっと心が落ち着き、それまでよりも自然体でいられるのです。いま、「森の幼稚園」という試みが、世界中に広まっています。

豊かな環境で、
教育を受けること

「森の幼稚園」は、1950年代にデンマークで生まれた、一年の大半を森の中で過ごすという、新しい幼稚園の在り方です。森には、公園にあるようなカラフルな遊具はありませんが、動物や虫、樹木や花たちが、季節とともに生きています。目の前に広がるそのままの景色が、感性や創造性を刺激し、次々に〈遊び〉という形に生まれ変わるのです。

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スウェーデンの風景。右手の銀色の建物が園舎で、裏手には森が広がる。転がったポールや土管などを、どう使い、遊ぶかは自分たちで考える。

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スキーウエアを着て、ずっと外にいる子供たち。寒いのなんてへっちゃら。

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デンマークの風景。小さな園舎の周りには、たくさんの植物が。花をつんだり、においを嗅いだり、自由に想像力を育める。

インドネシア・バリ島の、
小さな「緑の学校」

インドネシアのバリ島にある「Green School」では、80,000㎡もある敷地に竹で作られた素敵な学校が建てられています。バリに住んでいる地元の人でなくても、外国籍の親の子どもを預かったり、この学校に通わせたいからと、他国からわざわざ移住する人もいるというから驚きです。

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竹は、切ってもすぐに生えてくるライフサイクルの早い植物。ブナのように、育つのに時間がかかる広葉樹とは異なり、およそふた月でヤシの木ほどの高さになり、3年ほどで建設に使える植物に成長します。伐採して建設に使用しても、すぐに再生されるので、エコでサスティナブル(持続可能)な材料であるというわけです。

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校内の広大なキャンパスには、池や、野菜畑、庭園があり、魚や家畜が飼育されています。右手に見えるのは牛。奥に土のように積まれているのは牛糞です。これを使って堆肥を作り、自給自足のサイクルを作っています。

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これは、水圧で発電する装置。ネットの下には、水が渦を巻いています。勢いがついた水は、2.5メートル下の川に落とされ、その勢いでタービンが回され、発電する仕組みになっています。およそ8000ワットの発電能力があるのだとか。

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近くの川では、子どもたちが裸になって水遊びをしています。大人たちが監視することもなく、子どもたちだけで楽しそうに元気な声を出しながら遊び、自らリスクの管理しているのです。

自然と共に遊んで、
豊かな想像力を

現代を生きる子どもたちは、スマートフォンやゲーム機器など、人工的に作られたおもちゃに囲まれすぎてしまい、生身のものと触れ合う機会が少ないように思われます。昔の子どもたちは、外へ出て、沢山のことを見て、疑問を持ち、考える事を繰り返すことによって、自由に遊びを生み出していました。自然のなかで様々なことを体験することは、そのまま学びとなるのです。日本では、2015年に鳥取県で「森のようちえん」認証制度が創設され、少しずつ取り組みが広まっています(より詳しく知りたい方はこちらをご参照ください)。

ゆったりと時間が流れる森の幼稚園。遊びのなかで、自分で重ねたさまざまな体験が、生きる力を育みます。

Photo by Taku Hibino
Licensed material used with permission by HIBINOSEKKEI + Youji no Siro
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