世界で初めて、ソーラー発電できる「道路」が開通(フランス)

昨年末、フランスはノルマンディーにある、Tourouvre au Percheという小さな町に、ソーラーパネルでできた道路が開通した。これまでに、太陽光発電できる設備が自転車専用道路に設置された例はあった。一般車両や大型車両が通過する道路に設置されたのは世界で初めてのことだ。

今後2年間の試験運用を経て、発電効率や耐久性が詳しく調査される予定。素材はシリコン製で、柔軟性があり頑丈。滑りにくく、大型車両が通っても大丈夫なようにつくられている。

街を明るく照らす
ソーラーロードが開通

Photo by @ Yves Soulabaille

1キロメートルに及ぶ路面に敷いた計2,880枚のパネルは、面積にして2,800平方メートル。これによって発電できるエネルギーは、1日でおよそ767キロワット。夏は最大1,500キロワットほどになると考えられている。年間にして280メガワットの電力量を発電できる試算だ。

経産省の統計では、2014年の日本の家庭における平均電力使用量は、1世帯あたり年間4,432キロワット。つまり、この道路によって、60世帯以上の電力消費を一年間賄える計算。みんなの生活に必要な電力をすべて賄うことはできないけれど、3,000人以上が暮らすこの町の街灯を照らすには充分。定期メンテナンスも不要だと言われている。

一方で、今回の取り組みが日照時間が少ない地域で行われるものであり、平坦な路面に設置する発電効率への不安などから、コストがかかりすぎているという指摘もある。「Wattaway」のディレクター・Jean-Charles Broizat氏は、これがあくまで試験的な運用で、改善していくことが前提であるとコメント。一部報道によれば、フランスの環境大臣は、このソーラーロードの配備を進めたいと考えているようだ。試験運用の結果に注目したい。

Top Photo by @ Yves Soulabaille
Licensed material used with permission by WATTWAY
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