凹んだ数だけ強くなる!「レジリエンス力」の磨き方とは?

あなたはいつも、どのような毎日を過ごしていますか?仕事やプライベートに追われ、余裕のない日々を過ごしていませんか?そんな状態がずっと続いて休む時間や遊ぶ時間が取れずにいると次第に心が荒んでいき、体調を崩したり、うつ病になったりします。

15,000人以上をカウンセリングしてきたという金森秀晃氏の著書『凹んだ数だけ強くなれる29の法則』では氏の経験をもとに、そういった状態から抜け出すための「レジリエンス力」の磨き方を教えてくれています。

優先度の
高いものに集中する

「時間や余裕がない」とか「どう優先順位をつけていいかわからない」と言っている人にはこのように尋ねてみましょう。

あなたが今「やらなければならない」と思っているものは、本当にすべて「やらなくてはならない」ことですか?

すると、多くの人が「そう言われたらよくわからないけど、まぁ、YES」と答えます。この「まぁ、YES」が問題なのです。これが、レジリエンスを発揮するための時間や余裕をあなたから奪っているのです。しかし、この「やらなければならない」ことのなかから「やらなくていいこと」を見つけるのは、簡単なことではありません。

そこで、「やらなければならないこと」の他に「やりたくて仕方ないこと」というランクを設けるのです。「誰にも干渉されない時間が欲しい」「何にもしないでボーッとしたい」「新しい楽器を習ってみたい」「一ヶ月休みを取って海外に行きたい」など、すぐに行動に移せないようなことがあっても良いのです。

この「やりたくて仕方ないこと」を阻害している原因を考えてみて、改めて「やらなければならない」と思い込んでいたものから、思い切って要らないものを省いてみましょう。

フロイトは、こう語ります。

「自分に対して、とことん正直になること。それが、心身に良い影響を与えるのである」

正しい一歩にこだわりすぎず
今すぐできることを探す

問題や困難に立ち向かうとき、いきなりすべてが解決するようなことを求めてはいけません。壁が高すぎると、すぐにやる気を失ってしまう恐れがあります。今すぐできるような、ごく小さな行動から始めることによって、自ら進んで思考と行動を変化させていく状況を創り出すことが大切です。

このとき、正しい一歩にこだわる必要はありません。自ら進んで思考と行動をとっていく習慣をつくる感覚が大事なのです。

レジリエンスという概念の生みの親のひとり、アメリカの心理学者エリクソン博士はこう語ります。

「人間が生きていく上で必要なことのひとつは、苦痛なことを安全な環境のなかで繰り返し体験することだ」

しかし、普通の人にはなかなか「苦痛な行動」は取れません。だからまずは「今すぐできること」だけでいいのです。それを少しずつ積み重ねていくだけで、状況は驚くほど変わっていくということが、多々あるのです。

変化を恐れず
自分のスタイルを捨てる

自分のスタイルにこだわりすぎると、あなたのレジリエンス・マインドはいつまでたっても構築されません。なぜなら、レジリエンスとは「しなやかな強さ」であり、「適応力」とも言えるからです。

「私は人見知りするタイプだから◯◯できません」
「私は朝苦手なタイプだから◯◯できません」
「私はチャンスに弱いタイプだから◯◯できません」

これらはよく聞くセリフですが、一度冷静になってみてください。これらは自分が変わることに対する抵抗感を正当化するための言い訳になっていませんか?人間は、変化に対して過剰なまでに抵抗感を感じる生き物です。つまり、快適で安全な領域から飛び出すことを極端に恐れるのです。

そもそも、「私はチャンスに弱いタイプ」と決めることにどんな意味があるのでしょう。明らかに良い結果を生まないセリフであって、何のエキサイトメントもありません。つまり、この「タイプ」や「スタイル」は自分の限界を作るのに非常に便利なのです。人間は変化することをやめると、成長が止まるどころか退化していきます。

しかしじつは、これを逆手にとって、自分を客観視するための手段として使うこともできます。自分の得意なところと苦手なところを把握し、SWOT分析をしてみるのです。これだけでも、変化する準備は整います。

レジリエンス・マインドは、変化を求める心に宿るのです。

最悪の事態を想定して
事態の好転に100%をかける

今できる小さなことから実行するとき、より精度を高めるためには

1.最悪の事態を想定する
2.最悪の事態が起こったときの覚悟を決める
3.事態を好転させることに100%のエネルギーを傾ける

ことが必要です。

困難な状況にあるとき、もっともやってはいけないのが「悩む」という行為。悩むという行為は、人間の思考力と集中力を著しく奪い、決断力を弱めていきます。人は一度悩み始めると、心は絶えず動揺し、生産性のない妄想に、多大な気力と体力を使い続けることになるのです。

一例をあげると「営業マンが契約書を取り交わすためのアポイントを1時間間違えており、お客様をカンカンに怒らせてしまった」とします。

まずは「最悪の事態」を想像してみましょう。さすがにこれで仕事をクビになったり死ぬことはないでしょう。この場合の「最悪の事態」は「契約破棄」くらいです。また、二次的な要素としては「上司に怒られる=評価が下がって給与が減る」、「同僚に迷惑をかける」などでしょう。

次にこの事態を受け止め、覚悟を決めます。そして「契約破棄や上司に怒られても死ぬわけじゃないんだから」と強がってみます。ひとりでくよくよしていても、後々さらにあなたを苦しめるだけで、状況は好転しません。ここでも悩むのではなく、まず何をすべきか考えましょう。

この場合、事態を好転させるために今できることは「誠意を見せる」ことでしょう。たとえば、上司を連れて謝罪に赴くことがベストではないでしょうか。「上司に怒られる」という事態に腹を括ったあなたは、まずその行動に100%のエネルギーを傾けるでしょう。

この「最悪の事態に腹を括ること」がレジリエンスにつながるのです。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。