エクストリームな新種目。これこそ「空中のバレエ」だ!

スカイダイビングの疑似体験を地上でおこなう特別な装置がある。呼ばれ方はさまざまだが、円筒状の空間に強力なタービンを回転させて風を起こし、垂直に吹きあげる風の力を利用してカラダを宙に浮かせる意味では、どれも原理は同じもの。

この装置を利用して、エクストリームな新種目が誕生した。言うなれば、たしかにこれも室内スカイダイビング。ただし、世界大会ともなると、その迫力に圧倒される。

浮力を使って自在に舞う。
ぶつかりそうでぶつからない、
スリリングなメイクにハマりそう

垂直方向に吹く風は、成人男性のカラダでも軽々と舞い上げる。この強い浮力を活かしてカラダを宙に浮かせ、スピンを繰り返してはその美しさ、技の正確性、速さを競う競技だ。ソロ、ペア、4人による演技。華麗でスリリングな展開は、見ていてまったく飽きない。それにしても、いったいどうやって自分のカラダを中空で制御しているのだろう。

大会を主催する「WINDOOR」によれば、初期の装置(Wind tunnel)は1870年代のイギリスで開発され、元は軍事用に使用されていたそう。また第二次世界大戦においては、ドイツ空軍が戦略的にWind tunnelを取り入れ、当時最速となる戦闘機の開発や、パイロットの訓練に空気力学を応用した空洞が活かされていたという。

このWind tunnelを使って、2015年より毎年行われているのが「WindGames」だ。屋内版スカイダイビングと呼べるほど、生やさしいものではない。ダイナミックな演技に魅了されるはず。

2017年のチャンピオンは
14歳の少女

彼女は今年スペインで行われた「The Wind Games 2017」において、200人の頂点に立った、シンガポール人のKyra Poh。まだ14歳という若さの彼女は、カラダをうまくコントロールしないと、時速250キロ近い風力に負け、壁や床に叩きつけられる危険ととなり合わせのなか、華麗なスピンを次々に決めゴールドメダルを手にした。

彼女の演技を含む、ファイナルのダイジェスト版は以下の動画から。

Licensed material used with permission by Sergi Ponsa
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。