生理について、もっと話しましょう(メーガン・マークル、女優)

女性にとって「生理」は、切っても切れないものです。時に体調が左右されたり、時に理解を得られずに苦しんだり。

ドラマ 『SUITS』などで女優として活躍する一方、男女平等の権利を訴えるための活動を行っているメーガン・マークルさんは、この度生理に関する記事を「TIME」に寄稿しました。タイトルは、How Periods Affect Potential(生理がいかに女性の可能性に影響を与えているか)」

発展途上国の女性たちを取り巻く、生理と社会進出の問題について、インドを訪れた自身の経験や感想をふまえて書かれた彼女の記事を紹介します。

もしも女性が生理のせいで
学校に行けなかったら?

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想像してみてください。

私たちが尊敬する女性のリーダーたちが、もしも13歳で学校を辞めねばならず、今のように活躍できていなかったとしたら──。

先進国の人には想像しづらいかもしれませんが、「ある驚くべき問題」が、世界の数百万人の若い女性たちに、厳しい現実を突きつけています。

それは「生理」の問題です。サハラ砂漠以南のアフリカやインド、イランなどでは、月経は「汚いもの」とみなされています。またサニタリー用品やトイレなどの施設が不十分なために、女性の「学問の追究」が妨げられています。

発展途上国において、「生理が女性の学ぶ機会を奪っている」ことについての議論は避けられがちです。家庭でも政府の議会でも、「生理の衛生管理」については話されません。

前ファーストレディであるミシェル・オバマは、2016年4月に行われた世界銀行の会議で、生理というテーマに切り込みました。これに端を発して様々なNGOが、女性と生理の問題に対処するプログラムや政策の見直しを積極的に探っています。しかし、未だに解決はされていません。

ナプキンの代わりに
布きれを使う少女たち

今年の1月、国際NGO団体のワールド・ビジョンと共に、私はインドのデリーとムンバイを訪れました。現地の女性に会って、生理がいかに彼女たちの教育を妨げているかを、直接この目で確かめるためです。

インドだけでも、1億1,300万人の12〜14歳の少女が、生理が理由で、学校を中退せねばならないリスクにさらされています滞在中に出会った少女たちは、生理中に登校することに恥ずかしさを感じていました。

現地ではナプキンが不足しており、彼女たちは代わりに布きれをあてて生理をしのいでいます。そのため、体育の授業に参加することができません。また、女性トイレの設備も不足しています。こういった理由で、学校から遠ざかってしまうのです。

さらにこれをタブー視する風習から、学校でも家庭でも、生理に関する教育がほとんどされていません。そのため彼女たちは、自分の体から「邪悪な魂が排出されている」と思い込んだり、場合によっては月に1回病気になっていると信じ込んで、じっと耐えているのです。本当に残念な事実です。こうして、貧困の悪循環は続き、彼女たちの明るい未来は閉ざされてしまいます。

2014年、インド政府は 「Save the Girl Child, Educate the Girl Child (少女に保護と教育を)」というキャンペーンを始めました。これによってインドは、持続可能な開発目標 (特に普通教育と男女平等において)の達成に近付きました。しかしトイレがある中学校は50%しかなく、インドの中学生のうち約半数が学校へ行くのが難しいという問題は、依然として残っています。

もし政策を決める場で、安全な水や環境の確保と同じくらい、生理の衛生管理についても議論されれば、もっと課題が浮き彫りになり、改善に向かうことでしょう。

女として生をうけた瞬間から
待ち受ける試練の山

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生理が理由で学校を欠席した場合、その女子生徒は男子生徒よりも合計で145日、遅れてしまいます。

生理に対応できる環境がない中、学校に通い続けるという選択をする子は、ほとんどいません。だいたいが中退して家庭に戻る道を選び、危険な仕事に就いたり暴力被害を受けたりといったリスクに直面します。そして時に、児童婚を余儀なくされるのです。

インドの女性は、生まれる前から数多くの苦難に直面します。まずは堕胎(男の子の赤ちゃんより中絶されてしまう可能性が高いのです)、その後は栄養失調や暴力被害。そして、生理の環境です。

どうして女性たちは、学校に入るまでにも数々の困難を乗り越えてきたのに、生理が原因で教育や未来の可能性までも犠牲にされねばならないのでしょう?

この問題を解決するためには、女性トイレと最低限の生理用ナプキンが必要です。これらがないために、23%もの少女たちが学校を離れています。

ムンバイ郊外のスラム街を訪れたとき、出資を受けながら生理用ナプキンの製造と販売を行う女性たちに密着しました。「Myna Mahila 財団」という団体名は、インドハッカという“おしゃべり”な鳥 (Myna) と、女性を意味する (Mahila) に由来しており、この課題を暗示しています。

私達に必要なのは、「この問題について語ること (”おしゃべり” になること)」なのだと。

「Myna Mahila」に在籍する97%のスタッフが、このスラム街に住みながら働いています。そこに根付く貧困サイクルを打ち破り、教育のきっかけとなるシステムを生み出そうとしています(この団体ついては、ノーベル賞ノミネート者のJockin Arputham博士に教えてもらいました)。

さらにこの女性たちは、家庭で生理について話すよう促進しています。何も言えずに苦しんでいる少女たちを解放し、学校へ行けるようにするためです。

生理について
もっと話しましょう

インド以外でも、生理という「この世でもっとも自然なこと」について話されていないがために、女性の可能性が摘み取られています。だから私は訴えます。生理について議論しましょう。政策と環境を整えましょう。女性の教育を促す団体をサポートしましょう。家でも生理について話しましょう。

少女たちのチャンスを潰すわけにはいきません。貧困の悪循環を断ち切るため、発展途上国の経済成長と持続可能な発展のためにも、若い女性たちは教育を受けるべきなのです。

もし、学習意欲がある少女たちにしっかりとした教育を与えられたら、世界に大きな変革を起こしうる女性を輩出することができます。実現したいなら、私たちから始めなければいけません。

メーガン・マークルは女優であり、世界中の女性の平等な権利のため、「ワールド・ビジョン」や国連、「ワン・ヤング・ワールド」、「Myna Mahila Foundation」といった団体と一緒に活動する人道支援家です。

Top Photo by Shane Mahood/USA Network/NBCU Photo Bank via Getty Images
Licensed material used with permission by Meghan Markle, (The Tig)
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