「旅するように働き、生きる」。そんな人生に向いているのはどんな人?

本田直之さんと四角大輔さんの共著『モバイルボヘミアン 旅するように働き、生きるには』では、仕事とプライベートを分ける「ライフワーク・バランス」ではなく。「仕事・遊び・生活」に垣根がない状態での生き方を提案しています。

彼らはこういった生き方を「モバイルボヘミアン」と呼び、自分の時間を取り戻すきっかけになれば嬉しい、と言います。そういった暮らしに憧れる人も多いかもしれませんが、じつはこのスタイルには向き不向きがあるとのこと。本田直之さんがまとめた「○×形式」がとても参考になるので、自分が当てはまるかどうかチェックしてみてくださいね。

○クリエイティブに考えられる人
×自由が苦手な人

モバイルボヘミアンとして生きるならば、自分の働き方や生き方に対して、常識に縛られない「自由で柔軟な発想」を持つことが大切です。

たとえば長い通勤時間が煩わしいのなら、週に1日はオフィスに行かなくても仕事ができるやり方をゼロベースで考えて会社に交渉してみるなど、クリエイティブに物事を考える習慣を持ちましょう。

既存の常識を鵜呑みにしたり、違和感をスルーするのではなく「どうやったらできるのか?」「今までと違うやり方はないか?」と考え続けることが重要です。もちろん大言壮語を吐くだけだと、周囲からは「何を言っているんだ?」と思われてしまいます。あなた自身のスキルや仕事で生み出した結果を周囲に見せることで、説得力は生まれるのです。そこを履き違えないようにしましょう。

一方で向いていない人の特徴は、自由が苦手ということ。

一見、自由というのは誰にとっても有益なものですが、実際はそうではありません。制限された自由の中でこそ、力を発揮しやすい人もいますし「このポジションで、こういう働き方で、こういう仕事をやってください」と決めてもらったほうが成果を残せる人もいます。それもまたひとつの生き方ではあります。

ただし、モバイルボヘミアンとして生きたいのなら「ルールとは守るものではなく変えていくもの」ということを念頭に入れて行動すべきでしょう。

○実験し続けることができる人
×変化を恐れる人

次に大切なことは、クリエイティブに考えたことを実験し続けるということです。

もし、クリエイティブなアイデアが浮かんでも、そのままにして何も行動しなければ、現状は何も変わらないまま。仮にやってみた結果がうまくいかなかったとしても、それはあくまでもひとつの実験の結果として、固執しなければいいだけの話ではないでしょうか。

それなりの準備をしていれば「うまくいくはず」と自信も生まれ変化に対応することができるものです。逆に、実績がないまま大きな挑戦をしても、うまくいくはずなんてありません。この記事を斜め読みしただけで、スキルも手にせず新しい世界に飛び込むことは、勝ち目のない、ただの無謀な実験です。

真っ白い紙に、自分の意思で絵を描いてみませんか?たくさん経験を積んで実験していけば、絵を描くことに恐れなんてなくなるはずです。

◯プロの個人として生きたいと思う人
×時間労働者のままでいたい人

3つ目のポイントは「プロの個人」として生きることです。

ここでいうプロとは、ある分野で生きていくための技術があり、自信を持ってそれを提供することでお金を得られる状態のことを指します。

プロの個人は比較的なりやすいものです。銀行マンなら金融知識のプロ、営業マンならモノを売るプロといったように、だれもが「プロの個人」になれる可能性を秘めています。人数や年齢の制限もありません。自分で積み上げてきた実績があれば、年齢を重ねて体力が衰えたとしても仕事は続けられます。

プロスポーツ選手と比べてみても、これほど楽なことはありません。スポーツの世界でトップになれるのは1人しかいませんが、自分らしく生きようとする権利は、1人だけではなく万人に与えられるものなのです。

一方で、1つの組織に属して誰かに給料をもらうという依存型の仕事は、シンプルにいうと「時間給」です。時間給とは、自分の時間を切り売りするということ。自分で仕事を作り、自由に働くプロの個人と、誰かに仕事とお金の両方を与えてもらう時間労働者。あなたはどちらの生き方をしたいでしょうか?

モバイルボヘミアンとしての生き方を選ぶならば、当然前者を選ぶべきなのです。

○セルフマネジメントができる人
×お金にも時間にもだらしがない人

4つ目に必要なのは、自己管理力です。

これがない人は、プロの個人として生きることはできません。自由であることは極論、何もやらなくてもいいということですが、自分自身を厳しく管理できる能力が重要になってくることも覚えておきましょう。

対照的に、会社員はある意味でとても楽な生き方ができます。出社時間や退社時間、すべきことが決まっているし、管理者もいます。よって、セルフマネジメントがあまり得意ではない人でも仕事ができてしまう素晴らしい仕組みです。でも、あなたがもしモバイルボヘミアンを目指すのであれば、このすばらしい仕組みに甘えてはいけません。

セルフマネジメントにおいて見習うべき人物は、大リーガーのイチロー選手です。彼のルーティーンワークや自己管理を徹底する力は有名ですね。ネクストバッターズサークルに入る時には、ストレッチを徹底。打席に入るとバットを一度膝において屈伸し、足場を固め、バットを立てるポーズで打席に立つ。準備を万全にして、結果を出すのです。

人生もプロスポーツと同じで、難しく考えすぎないほうが良い結果は生まれます。彼のようなプロ選手が、普段どういう自己管理や習慣を身につけているかを調べて、自分に応用してみれば、自ずとセルフマネジメントは徹底されるでしょう。

本田 直之

日米のベンチャー企業への投資育成事業を行いながら、年の5ヶ月をハワイ、3ヶ月を東京、2ヶ月を日本の地域、2ヶ月をヨーロッパを中心にオセアニア・アジア等の国々を旅し、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。

四角 大輔

アーティスト及びブランドプロデュース、公式サイト〈4dsk.co〉、著書インスタグラム、〈Lifestyle Design Camp〉を通して表現活動を行い、ニュージーランドで半自給自足の森の生活を、年の半分は世界中で移動生活を送る。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。