全校生徒740人が「石にペイント」。そこには美術教師からの素敵なメッセージが…

ある教師が、740人の生徒を巻き込んで作り上げた「石をペイントするアート」が、Facebookで大きな話題を呼んでいます。

彼女の名前は、Jessica Moyesさん。米インディアナ州ニューバーグのシャロン小学校の美術教師です。

ただの「カラフルな石」だったら、ここまで盛り上がることはなかったでしょう。そこに込められたメッセージは、一体どのようなものなのでしょうか?

あなたは大きな海の
かけがえのない魚

彼女が生徒たちに作らせたのは、ひとつひとつの石にペイントした「魚」の作品。子どもたちは各々、自分の思うようにデザインしていきます。

魚たちはみんな、違った色や模様を持っているのです。

インスピレーションを得たのは「Only One You」という絵本だそう。小さな魚Adriが新しい友だちを求めて、大きな海へ旅立つ物語が描かれています。絵本のなかには何匹もの魚が出てきますが、1匹として同じ色や形の魚はいません。

Adriの両親は、旅立つ小さな子どもにこんな言葉をかけます。

「この大きな世界で、あなたはたったひとりだけ。だからこの世界を、あなたにとってもっと素敵な場所にしていくのよ」

全校生徒によって作られた、世界にひとつだけの魚たちは、校内の「川」を泳いでいきます。一つひとつは小さくても、集まって大きなアート作品になるのです。

ひとつでも美しいけど
集まるともっと美しくなるの

Jessica先生は、想いについてこう語ります。

「実際に作ってみて、単に『きれいな石の魚を作る』というだけじゃなく、もっと大きな意味があることに気づいたの。自分たちの美しさ、個性、そしてユニークさを受け入れる必要があること、周りに流されるのではなく、きちんと自分自身で道を切り開くことを学べたと思う。

そして、自立した個が集まることで、どんな素敵なことが起きるかということも表しているように思う。鮮やかに色づけされた石の魚は、もちろんひとつずつでも美しいけれど、合わさってひとつになれば、さらに素晴らしいアートになるの。

一人ひとりを大切にしながら、みんなで力を合わせること。

その大切さが子どもたちに伝わったと信じているわ」

「この大きな世界で、あなたはたったひとりだけ。だからこの世界を、あなたにとってもっと素敵な場所にしていくのよ」

これから大人になるために本当に大切な考え方を、この作品を通して伝えたJessica先生。

彼女のプロジェクトの思い出はきっと、これから社会という大海へ出ていく子どもたちにとっても、きっとかけがえのない宝物になることでしょう。

Licensed material used with permission by Jessica Moyes
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。