機械による「静かな侵略」は、すでに始まっている。

生活や仕事に欠かせなくなってきた「機械」と、その「自動化」。

私たちの過酷な労働力を少しでも軽減させ、効率の良い仕事ができるようにと、様々な機械が発明され、共存してきました。それらがさらに新しい仕事を生み、生産性をあげ、人々の生活水準を上げてきてくれたと言ってもいいでしょう。

では、昔の「自動化」の発展と、今の「自動化」の発展はどう違うのか?

その歴史を紐解きながら、私たちの生きる現代、そして近い将来を予想した「Kurzgesagt」の動画を見ていきましょう。

まずは、
簡単に振り返ってみよう。

私たち人類はその長い歴史の中で、労働や仕事の変貌と共に、進化してきました。

肉体労働の農業から始まり、産業革命による機械化された生産。

そしてサービス業に発展し、今は情報化の時代へとなりました。

このように、技術の進化における「機械の自動化」によって、新たな働き口や働き方が見出され、人々の生活も豊かになっていったのです。

では、今の技術革新はどうなのか?

確かに情報化の進歩は、私たちの生活に革新的な利便性を見出してくれました。ですが、昔の革新のように新たな働き口や働き方ができたかと言えば、むしろ奪っているのではないでしょうか。

仕事の数が反比例していく。

たとえば2004年の「ブロックバスター社」は、84,000人の社員がいて約60億ドルの利益を得ましたが、2016年の「Netflix社」は、4,500人の社員で90億ドルの利益を得ています。

つまり自動化の進歩により、社員数が少なくても利益を得られるビジネスモデルが増え、人口が増えているにも関わらず、仕事の数が反比例して減少していると言えます。

この状況が加速すると、当然「無職の人」が増えてしまうことが予測されます。

たとえばアメリカでのデータによると、生産性が40%も上がり、1,000以上もの新事業が増え、4,000万人も人口が増えているにも関わらず、労働時間は1998年から変わっていない、ということも判明。

またこれらは、世界で起こっている一例でしかありません。

これは、人類が掘った
「墓穴」なのか?

すでに、機械による静かな侵略は始まっていると言えます。工場などのライン生産が「自動化」になったのも、そのひとつです。

ですが、機械による「自動化」だけでは、複雑で専門性の高いクリエイティブな作業はできません。でも、それは今の段階での話。学習アルゴリズムがパターンやタスクを学び、また新たなアルゴリズムが作られるように、進化は止まらないでしょう。

…ということは、私たちが機械に仕事を教えていること自体、ある意味で墓穴を掘っている、とも言えるのかも?

どんな未来が予想されるの?

これから予想されるのは、大きな格差問題が起きるかもしれない、ということ。

たとえば私たちの経済は、「消費」によってさまざまな影響が出ますが、もし多くの人が仕事に就けなくなると、「消費」自体が、ごく一部のお金持ちにしか流れなくなります。

またさらにごく一部の、機械を操るスーパー富裕層」によって支配されることだってありえるかもしれません。

一方で、情報化社会と自動化が社会に変革をもたらし、「貧困を無くすことに繋がる」という可能性もあります。

要するに、この危機は一時的なもので、本来は将来性のあることなのかもしれない、という意見も。

それは今後私たちにとって、「機械と情報と、どのように共存していけるのか」という課題も残しているのです。

この問題は学問の垣根を超え、様々な専門家や研究者たちが議論しています。たとえば、MITの教授で経済学者のDavid Autor氏も2016年に「自動化で人間の仕事はなくなるのか?」というテーマで、TEDトークも発表しています。

Will Robots Take My Job?」というサーチサイトで自分の業種を入力すると、近い将来、どのくらいの確率で機械がその仕事を奪うのか、そしてどれほどの人々が職を失うのか、といったデータも参照できますよ。

Licensed material used with permission by Kurzgesagt
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