25年前、キング・オブ・ポップが残した「現代へのメッセージ」

毎年、6月25日がくるたびに世界はどこか喪失感を覚えます。1970年代以降、音楽界のアイコンとして君臨した“キング・オブ・ポップ”、マイケル・ジャクソンを失ってから今年で8年。

マイケル自ら手がけた詩集
『Dancing the Dream』

人類史上最も成功したエンターテイナー、こう称されるマイケルの写真や資料を集めた書籍は、これまでにも世界各国で数多く出版されてきました。なかにはマイケル自身が手がけたものも。

そのひとつ、1992年に出版された『Dancing the Dream(ダンシング・ザ・ドリーム)』は、写真集として見ごたえ十分な大型本。ここに添えられているのがマイケルの美しい詩。歌詞ではなく詩集(散文も)というのがポイントです。

9a0e0c7025c883c3868f28e89f38e43019dc0843

On Children OF THE WORLD
(世界の子どもたちのために)

以下の一編は、2009年マイケルの死から2日後「The Telegraph」が引用した詩の“全文”です。同紙が掲載しなかった詩の続きを太字で表現しました。

“We have to heal our wounded world. The chaos, despair, and senseless destruction we see today are a result of the alienation that people feel from each other and their environment.

Often this alienation has it roots in an emotionally deprived childhood. Children have had their childhood stolen from them.

A child's mind need the nourishment of mystery, magic, wonder, and excitement. I want my work to help people rediscover the child that's hiding in them.”

(和訳)
「僕たちは、この傷だらけの世界を癒さなくてはならない。今日僕たちが目にする混沌や絶望、無感覚に破壊されるあらゆるもの、それらはすべて対人関係や環境から感じる疎外感が原因。

この疎外感はしばしば、愛情に恵まれない幼少期の精神的貧困が元になっている場合がある。今を生きる子どもたちが、そうした大人の手によって、『好奇心』を奪われている。

でも、子どもの心に必要なのは、神秘や、魔法や、不思議さや、興奮といった栄養素。だからぼくは、歌うことで大人の心の奥底に潜む『子どもの心』を探し出す手助けがしたいんだ

振り返れば当時の世相は、まだどこかで前年に結審したはずの児童性的虐待による嫌疑を、完全には払拭できずにいたのかもしれません。

それでも、音楽性や人種を越えて万物を愛し、平和を愛し、子どもたちを愛した彼のやさしく、力強いメッセージは、まるで四半世紀が過ぎた今の時代を言い表しているかのよう。

圧倒的な歌唱力やダンスパフォーマンスだけが、稀代のスーパースターと呼ばれる所以ではない。エルビス・プレスリーやジョン・レノンと等しく、マイケル・ジャクソンもまた、音楽シーンを越えた時代のアイコンですね。

さて、今年も、世界各地で追悼セレモニーが開催されているようです。MTVでも、ドキュメンタリー映画『THIS IS IT』をはじめ、マイケルの詩の真相に迫る特別番組など、昼12時から14時間連続でオンエアを予定しています。

Top Photo by Kevin Mazur/WireImage/Getty Images
Reference:The Telegraph
音楽に全く興味がない人でも、その名前くらいは耳にしたことがあるでしょう。マイケル・ジャクソン。そう、“キング・オブ・ポップ”として「スリラー」「バッド」と...
音楽史に燦然と輝くスタンダードナンバー、その知られざるカバーバージョンをディグりまくる連載企画「disCOVER!」。今回ピックアップしたのは、“キング・...
これは、アメリカのパンクロックスター、イギー・ポップが彼のファンである21歳のローレンスへ送ったファンレターの返事。イギーは普段から義理に厚く、人情深いキ...
「8月5日の金曜日は、キング牧師が住居の隔離政策に抗議するため、シカゴでデモ行進をした日から、50年目を迎える記念日でした。あれから時代は大きく変化しまし...
ペットの死後、剥製にする話を聞いたことがある。いつまでも一緒にいたいという気持ちは分かるけれど、何か痛々しい。世論でも、可哀想っていう声も多い。実際、やっ...
アメリカの人種差別撤廃に大きな礎を築いた人物。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)。彼の一連の言動には、「現代のビジネスマンが教訓にすべき...
パリの一角に突如現れた、ポップなカラーに彩られた空間。よくよく見てみると…なんと、バスケットコートのようです。このアートを手がけたのは、フランスのファッシ...
電卓って、いいよね。でも、なかなかいいのがなくてね。それで、めっちゃ探して、海外から輸入している文房具屋さんの通販で見つけたのが、これ。カバーをパカッと取...
マイクを持ってベッドに座っている女性。ですが、この人ただ者ではありません。動画開始後すぐにその凄さに気づくはず。声だけで楽曲を完璧に再現していきます…。彼...
ゴッホといえばバブル期の1987年、53億円で落札された名画「ひまわり」が有名だ。当時、美大の女の子とつきあっていた僕は、話題沸騰の絵をすぐに観に行き、そ...
鳥かごの中で仕事をする小鳥、自殺する時計…。ポップなイラストの中に現代社会の闇を描いているのは、Elia Colomboさん。彼が発している強烈なメッセー...
はじめて実物の富士山を見たとき、その形の美しさに息を飲みました。バランスの取れたシルエットは、日本を代表する形のひとつとも言えるかもしれません。デフォルメ...
リンカーン大統領が奴隷解放宣言をしてから100年後の1963年。ワシントン大行進で、キング牧師はアフリカ系アメリカ人公民権運動の指導者として人々にこう語り...
「プリンス、死す」、そのニュースは世界に衝撃を走らせました。あれから、まもなく2ヶ月。今なお多くのメディアで、彼の遺したメッセージは発信され、その影響力の...
イギリスNSPCC(英国児童虐待防止協会)が手がける性犯罪予防アニメは、とにかく明るい。日本でこの手のシリアスなテーマを扱うとしたら、間違いなくこうはなら...
動画の男性が演奏しているのは、たった1本のアコースティックギター。しかし、見事にマイケル・ジャクソンの「今夜はビート・イット」をリズムからメロディまで完全...
サボテンや多肉植物は、乾燥した場所で育つたくましい植物。かわいらしいけれどちょっとゴツい見た目は、じつはどんな部屋にも馴染むんです。いつものインテリアに飽...
「聖者の行進」「バラ色の人生」「セ・シ・ボン」「この素晴らしき世界」など、誰もが一度は聴いたことがある数々の名曲を残し、“キング・オブ・ジャズ”と称される...
家族は、何にも変えられないかけがえのない存在。知らないうちに自分に染み付いていた癖が両親そっくりだったりして、成長していくにつれて、その計り知れない影響力...
とにかく音色がキレイ。そして心地いいグルーヴ感が存分に味わえる#120秒。どっからどう見ても怪しいヘンな奴らだけど、そのパフォーマンスは本物。まずは、その...