不気味すぎる公園「Haw Par Villa」は、シンガポールの隠れた名所

世界30ヶ国以上を旅してきたけれど、こんなにも忘れられない公園には出会ったことがなかった。不気味だけど、どこかチャーミングで憎めない像の数々……。文化も歴史もごちゃ混ぜにされていて、それが独特な世界をつくっている。

シンガポールでは、マリーナベイサンズやマーライオンはもちろん、この超B級スポット「Haw Par Villa(ハウパーヴィラ)」にも足を運ぶべきだ。

始まりはタイガーバーム
大儲けした兄弟がつくってみた公園

タイガーバームを持っているこちらのふたり。主役とも言える立場なのに、綺麗な身なりとはとても言えない。ただし、この汚れ具合もご愛嬌。

軟膏薬タイガーバーム (虎標萬金油) をつくって大成功した、胡文虎と胡文豹の兄弟により建設された公園は、主にコンクリートを用いて造形された1,000以上の像と150以上のジオラマがあり、自由に撮影できるようになっている。

市内を通っている電車、MRTのハウパーヴィラ駅を降りて地上に出ると、すぐにこの入り口にたどり着く。無料で解放されているため、特にスタッフの姿もなく、ちらほらと物好きな観光客と出会うくらいだ。

タイガーバームの広告と共に中国文化の紹介も兼ねていたため、園内の像・ジオラマは、地獄・極楽の様子を表したものや、『西遊記』や『山海経』に登場する神仙・妖怪など、中国の歴史を紹介したものが多い。なぜか突然日本の力士や自由の女神像など、関係のない像も現れるのだけれど、共通していることは全てがシュールすぎるということに尽きる。

Photo by Yuki Hoshi

おそらく、もっともよく写真を撮られているのはこの蟹男だろう。一体何を思って蟹の中に笑顔の男性を入れたのかはわからないけれど、彼に会って以来、シンガポールと聞くとこの顔が浮かんできてしまう……。

Photo by Yuki Hoshi

その近くでは、貝女も笑顔でお出迎えしてくれる。

Photo by Yuki Hoshi

人間に限りなく近い人魚(?)の姿も。

Photo by YUki Hoshi
Photo by Yuki Hoshi

自由の女神とも対面できる。

唯一の室内施設
「地獄巡り」へようこそ

東側に進んで行くと、門番が立っている入り口が現れる。ここは「地獄」を表した場所で、入ると人間や動物の様子がガラッと変わる。ここではお見せ出来ないけれど、不気味さとグロテスクの最高潮がこの中に詰まっているので、気になる人は自分の目で。

ここに紹介したのは、1,000以上あるうちのほんの一部(そしてある程度綺麗なもの)。思った以上に広い敷地は、隅々まで全部巡りたいなら2時間くらいはかかるのではないだろうか。

【施設情報】
Hua Par Villa(ハウ パー ヴィラ)
・住所:262 Pasir Panjang Road, Singapore 118628 
・時間:9時〜午後7時(最終入場:午後6時)
・料金:無料

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。