デキる部下に育つかは、上司の「コミュ力」ひとつだった。

 できる社員を育てあげるには、何よりも上司のコミュニケーション能力が重要。これはコラムニストMarcel Schwantesの意見。優秀な部下の質を見極め、磨きあげることができるかどうかは、上司の「コミュ力」ひとつ。

「そんなの当然」なんて内容もあります。実際。それでも「Inc.com」で多く読まれているのは、この当たり前が、なかなか当たり前とはいかないからでは?

 

01.
のびのび働ける環境をつくる

部下に新しい仕事をふった直後の不安定な時こそ、自信をつけてあげることが肝心です。思いやりのある上司ほど、部下を勇気付けたり、褒めたり、肯定的に受け入れてあげることが得意。彼らの興味や目標としていることを上手に聞き出し、しかるべきキャリアパスを歩めるよう、そっとサポートします。

部下が、いまどのレベルにいるのかを指し示してあげるだけでも、安心できるもの。できる上司は、必要に応じてコミュニケーションをとり、彼らに希望を与えることに長けています。

02.
アウトプットに対して
最低でも週イチで褒める

「褒められたくない人」がこの世のどこにいるでしょう。もしも、あなたに部下がいるのならば、質の高いアウトプットを出した社員を必ず褒めてあげてください。Gallupの研究結果によれば、「気づいてもらえること」、「賞賛されること」、この2つが仕事を続けるうえでのモチベーションだといいます。

褒めることが日常になっている職場ほど、生産性もよく、顧客からの満足度も高い。そして離職率も低いのです。最低でも週に1度は、部下たちに賛辞を送ると効果的だそうですから。

03.
部下の意見に耳を傾ける

離職に繋がる原因は「部下の話を聞かず理解してあげないこと」とは、前述のGallupの調査でも示された結果の一例。周りの意見に耳を傾けない上司が、チームからの信頼をどうして得ることができるでしょう。

尊敬されるリーダーは、偏見を持たず、社員の夢や情熱、恐怖や喜び、そして目標や野望を聞き出せるものです。話を聞いてもらえると、「理解されている」と感じてほっとし、おのずと仕事に意義を見出してくれるものです。

04.
「やりがい」を与える

著書『Give and Take』のなかでAdam Grantは、仕事にやりがいを見い出せると幸福度もアップし、仕事の生産性も上がると。例えばほんの数分だけでも、部下と顧客が顔を合わせる機会を設けてあげる、これがいいそう。

自身の仕事がどれだけ顧客のためになっているかを自分の目で確認できると、モチベーションが上がるようです。

05.
指示やフィードバックは
できるだけ明確に

Gallupの調べで明らかになった離職原因のひとつは、やはりコミュニケーションの不足でした。

部下にディレクションをし、フィードバックを与えながら道筋を明確にしてあげることこそが、上司の役割です。特に部下に求めるアウトプットが変わった時には、彼に対して抱いている期待や志して欲しい目標をはっきりと伝えてあげましょう。

また、社内の掲示板に全員の年間パフォーマンスをあげるのではなく、仕事の成果を話し合える「一対一の面談時間」を毎月設けること。

上達した点や強化すべき点を月ごとに評価し、自身の成長をタイムリーに把握してもらいましょう。高みを目指す人は課題点さえ分かれば、自らそれらの改善に努めるはずです。

06.
一人ひとりに最適な
「成長の場」を提供する

社員を信じ、尊敬の意を見せることで彼らは本領を発揮してくれるでしょう。慕われる上司とは、部下のやり遂げたことや、野望に興味を持てる人。それらを知ったうえで、一人一人に適した成長の場を与えるのです。

また、各社員のモチベーションの源泉を知ることも肝心。社員と密にコミュニケーションをとることで、これらは見えてくるはずです。

07.
信頼と愛情の相互作用をつくりだす

部下もひとりの人間です。居心地の良いコミュニティ作りをするのが上司の大切な役目。ノースカロライナ大学の心理学教授、「Love 2.0」の著者でもあるBarbara Fredricksonは、人間の感情について広く研究を行った人物です。「Fast Company」が彼女に仕事と愛情の関連性を尋ねたところ、このような回答が。

周りを思いやること、そして成長を促すことが良い職場環境をつくるうえでの潤滑油。どんな関係にも通ずることですが、人は思いやりを見せられることでより献身的に、より誠実に接してくれるものだ。特別だと感じられること、理解されること、感謝されること。承認欲求を満たしてあげることで、チームや職場、そして上司への態度がより献身的になるはずだから。

いくら職場であっても、愛情は欠かせないという裏付けになったのではないでしょうか?

Licensed material used with permission by Marcel Schwantes
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