本当の自分と向き合えた「サム」の物語が、切なくも温かい。

子どもだった時のことを思い出してほしい。友達とケンカした時、好きな子ができた時、悩んでいることを親に話せたでしょうか?ほとんどの人はためらってしまったのでは。

これから紹介する動画に登場する子ども「サム」も同じです。中々打ち明けられないので、心に寄り添ってあげるつもりで内容を追ってみて。

サムの悩みは気軽に
言えることではなかった…

生まれて間もないサム。「悩む」なんて言葉さえ知らなかった頃。

人形で遊ぶよりも車のオモチャで遊ぶことが好き。

時々ヒゲを書いてふざけることも。

友達は男の子ばかり。

でもね、なぜかみんな離れていってしまった。

「変わったヤツだな」って噂されていたみたい。

許せなくて思わず手が出て…、

親が呼び出された。でもなぜ?何も悪いことはしていないのに。

自分だけ髪の毛が長かったのがいけなかったのかな。

髪を短くした姿を見たお父さんは、悲しそうだった。

なぜ周りは自分を受け入れてくれないのだろう。

カウンセリングへ連れて行かれたけれど、心の中を打ち明けはしなかった。

でもね、お父さんもお母さんも歩み寄ってくれた。諦めないでいてくれた。

だから本当のことを話したんだ。

すると心がふっとラクになって…

初めて「本当の自分」になれた気がした。

ありのままの自分を受け入れてくれる人もちゃんといるのだと、知ることができた。

本当の自分がどちらか
悩んでいたサム

終盤になる頃には気づいてもらえたでしょうか。始めからいた男の子は、兄弟でもなんでもなくサムそのものでした。女の子として生まれたけれど、自分の本当の性は男の子だと感じていたサムのイマジネーションで、心の動きをうまく描写しています。

そして動画に隠されたメッセージはもうひとつ。「サム」は、女の子だとサマンサ、男の子だとサムエルなど両方の性別の名からくるニックネーム。感が鋭い人ならもしかして、2枚目の写真くらいでサムの悩みに気づいていたかも?

「性教育」のための
サム人形

このサムは人形として商品化されています。赤ん坊の時から苦悩を乗り越えるまで6種類のサムが1体の人形になっており、「Kickstarter」で資金調達中。

悩みなどなく幸せだった頃から疑問を持ち始めた時期。葛藤し周囲と距離を置くも、最後は受け入れてもらえるようになるまで、1体1体の表情がサムの成長を物語っています。そして最後のハートは、どのサムも心は同じだということを表しているのだそう。子どもたちに性の問題や思いやりと優しさの重要性を学んでもらうために作られたようです。

Licensed material used with permission by Gender Creative Kids
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。