高校・大学無償化を発表したフィリピンの決断。

GULFNEWS PHILIPPINESの記事によると、フィリピンが国の大学や高校100校以上の学費を無償化することを発表したそう。近年、日本でも奨学金を返せず苦しむ若者のや、高等教育の無償化についての議論が話題になっているなか、このニュースは「すごい!よかったね!」という感想以上にとても興味深いように感じられる。

だって、背景からしてなんとなく日本に似ているし。

教育レベルと出生率の低下が関係

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子だくさん・大家族文化のイメージが強いフィリピンでも、実は近年、日本ほどではないにしろ出生率の低下や晩婚化がすすんでいるそう。Sankei Bizによれば、同国の統計庁もこれについて「高い水準の教育を受けた親は、数の少ない子どもに質の高い生活を送らせようとする傾向が強い」と指摘していたんだとか。

ってことは、このたびの無償化は、経済的弱者にも高等教育を受けるチャンスを開くことはもちろん、それプラス、子どもに教育を受けさせることの経済的な負担をかるくして、教育のレベルを保ちつつ子どもの数も確保しようって狙い、にも繋がるのだろうか。

子どもを生みたいけどお金がかかるし、って悩みはなにも日本の家庭に限ったことじゃないだろうし。

「格差の固定化」はどうほぐす?

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でも逆にいうとこういった取り組み、お金のある家庭の子とない家庭の子に同じ恩恵を与えるぶん、「豊かな家の子どもが豊かになる」っていう、いわゆる「富裕の連鎖」はますます起こりやすくなる危険もあるんじゃ?とも思うわけで。

例えば、日本で導入したとしたら、入学できれば学費は無料だとしても、受験するだけで塾や家庭教師代、受験料、遠征費などお金がかかるもの。貧困層の子どもの受験は、富裕層と同じ難しさとは言えないだろう。

「日本では自分の頑張りでなんとかなる」とはよく聞くけど、そうでもない部分があるっていうのは、ずっと前から研究でも言われていて、東北大学の佐藤嘉倫教授は、次のように述べている。

マスコミでは 「階層の固定化」 がよく指摘されているが, すべての階層で 世代間所得移動が固定的というわけではない。 本稿の結果は, 富裕層の移動が固定的であることを示している。 しかもそれは所得の直接移転のような目に見える形ではなく, 教育と現職を媒介にしたものである。

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経済格差が学歴格差に影響することが少なくなれば、人間という資源をもっと有効活用できるかもしれない、という面からすればこういった制度は魅力的。無償化にいろいろ条件はつけるにしても、こうしてみると「みんなハッピー」ってわけには、やはりなかなかいかない様子。

そんななかアジアでの先陣を切ったフィリピンが、これからどう変わっていくかは、今後の日本の参考にもなりそうだ。

※本記事では、一部訂正を加えております(2017/08/21 10:30)

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