「いまも生きていたら、この時代を何て言うのかな?」

音楽、映画、文学など、誰にだって心のよりどころとしている作品があるはず。そんな“オール・タイム・フェイバリット”を探る週替り連載企画。前回 につづいてロック・バー「ジャニス」のマスターにお気に入りをきいています。今回おしえてくれたのは、編集者でありコラムニストの『山本夏彦』。その魅力とは?

フェイバリット紹介者:梅村 勉さん

東京・阿佐ヶ谷にあるロックカフェ・バー『ジャニス』のマスター。

昔、軽井沢のレンタル自転車屋さんでジョン・レノンと遭遇した過去あり。

(声をかけたものの、ジョンは颯爽と自転車で走っていってしまったそうです)

#FAVORITE 04.
山本夏彦
(編集者・コラムニスト)

 

梅村:若い人は知っているひとが少ないかもしれないんだけど、いわゆるコラムニストとかエッセイストの走りになったひとじゃないかな。ずっと『週刊新潮』(新潮社)とかで書いていて。書いた本も、全部持っているよ。内容もそうなんだけど、文体が好きでね。ちょっと独特というか、クセはあるんだけど、簡潔で。

 

——読みやすそうですね。“クセ” って、たとえば?

梅村:ちょっと斜に構えているところがあって(笑)。でも、それはそれでいいと思うんだ。そういうスタンスということで。読んでいると結構腑に落ちることもたくさんある。本当にインテリというのか、教養があって。文庫本でもこのひとの本はたくさん出ているし、読みやすいので、若い人におすすめします。

 

 ——いまの若い世代って、むしろ斜に構えた視点を知りたいひとが多いんじゃないかと思います。

梅村:なるほどね。世の中のコメンテーターって呼ばれる人とかって、ひとつの流れにわーっと乗るというか、テレビなんかで特にそういうのをよく観るよね。話題としてはいまは少し落ち着いてきているけど、加計学園とか森友学園の話になると、みんな言っていることは同じだったりして。

それが良い悪いではなくて、なんか新鮮味がないというかね。でも「この人がいまも生きていたら、どういうコメントをするかな?」というのが非常に気になるんだよね。

 

 ——違う視点から見たものを教えてくれるひと、本当に貴重ですよね。

梅村:あえてではなく、ふと、違った角度から話をしてくれる。そういう冷静なスタンスで物事を見ることができるひとって、特にいまの時代は、貴重だろうなと思います。亡くなってしまったのが本当に惜しいですよね。ある種の同調圧力に屈しないっていうか。そういうところがね、とっても好きでしたね。

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今日のみじかいことば。

「山本夏彦は、『室内』っていう建築やインテリア雑誌を創刊して、編集長をやっていたりもしていたんだよ。彼が亡くなったあとは、彼の息子さんが継いで発行していたんだけれど、残念ながら、今はもう廃刊しちゃったんだよね。」

次回につづきます。前回のフェイバリットはこちら

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