「細かく分ければ2,185」人間のすべての感情をナンバリングした大学院生

人間が抱く全ての感情を数えたら、いくつになると思う?

文字に起こせば、嬉しい・悲しい・疲れたなど一言で終わってしまうけれど、簡単に言葉にできない感情の方が、きっと多い。嬉しいのなかに、<切ない>が混じっていることもあるし、悲しいのなかに<怖い>が混じっていることもある。全ての感情を、言葉に当てはめるのは難しい。

従来の心理学では、人間の感情は<喜び・嫌悪・驚き・悲しみ・怒り・恐れ>の6つが基本とされていました。全ての感情が、この6つのどこかしらから生まれている、という考えだ。

ところが今月、それをひっくり返す論文が発表された。

感情を研究しつづけた男性が、
「2,185」の数字を出す。

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2017年9月にその論文を公表したのは、カルフォルニア大学のAlan S.Cowenさん。神経科学の分野で、機械学習を学んでいる大学院生だ。

彼は男女800人以上を対象にした調査で、感情の分布を示してみせた。その内容はこう。数千もの映像をチーム分けして見てもらい、それぞれどんな感情(情動)を抱いたかを報告してもらうというもの。その結果、人間の基本的な感情は27種類で構成されているということがわかった。

感嘆 敬愛 憧れ 楽しい 不安 畏れ
退屈 気まずい 同情 冷静 混乱 渇望
うっとり 嫌悪 共感 狂喜 羨望 興奮
恐れ 悲しい 恐怖 ワクワク 懐かしい
喜び 優越 満足 ムラムラ(性的興奮)

この中のいくつかを組み合わせることで、全ての感情が生まれてくるんだそう。その総数は、じつに「2,185」だとか。

【Emotion Map】
これが、人間の感情の全て

大掛かりな実験をしてこの数を導き出しただけでももすごいこと。だけど、何にいちばん感心させられるかって言えば、この「Emotion Map」だ。

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画像はレプリカで、タッチしても何も起きないのだけれど、彼は2,185の感情をアルファベットで色分け。さらにそこから該当する感情がどんなものか、クリックすると「イメージ映像」がポップアップ表示される感情マップをつくってしまったのだ。

とにかくこの凄さ、実際に体験してみるのがはやい。ぜひどうぞ!


 

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ページ左上

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さて、触ってみた人はわかると思うけれど、該当する感情が、どんな“配合”になっているのか、数字とグラフでも表れるようになっている。

一体どれだけの手間と時間をかけて、こんなマップを制作したのか……もはや、研究結果よりも、彼自身に対して興味が湧いてしまった。もっと詳しい話を聞かせてほしいと申し込んだところ、3分も経たないうちに「Of course!」と返信が。

当時の私の感情を、Alanさんのマップに当て込んで示すならば、楽しいとワクワクが混じり合った「1410番」。ホームランボールをキャッチした少年が、きゃっきゃとはしゃいでいる映像が出てくる感情だった。

制作期間、まさかの1日

まず、最初に知りたかったこと。制作にどれだけの時間を費やしたのか?その返答がこちら。

実験に参加してくれた数百人分の情報と結果をまとめるのは、本来かなりの労力が必要なんです。でもクラウドソーシングを使用したら、思ってたよりも簡単に制作に必要なデータを収集できました。実験の次の日には、あらかたまとまっていたんです。

独自で開発した計算ツールで、感情の数字を割り出すなど、主にマップを作成する手順を自動化していたので、そんなに時間はかかってないんですよ(笑)。

てっきり、何年もかけているかと思っただけに、この答えに拍子抜け。おそるべし、カルフォルニア大学院の機械学習スキル。

今まで、機械学習のデータや研究結果は文書でまとめられて終わっていた。でも技術を応用して、もっと実際に可視化、体験できるように公表したら良いのに…、と彼はずっと思っていたそう。

短い時間だけれど、話を聞いている間、終始楽しそうに研究のことを語ってくれた。人の脳や感情の動きを知ることが、シンプルに好きでたまらないのだろう。

人の感情を数字で表すことは、何よりも難しく、何よりも僕を魅了するんです。

全ての感情を、番号で捉えている男性。おもしろすぎる思考回路を覗きに、一度でいいから会ってみたい。

Licensed material used with permission by Alan S.Cowen, (map), (report)
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