生きる目的を失ったイラク帰還兵「ゾウの密猟」との新たな戦いの場へ。

野生の象と言えば、アフリカに生息する象を思い浮かべる。「悠悠と草原の中を闊歩している姿をいつかこの目で」と思っていたが、もしかしたらその夢は叶わないかもしれない。

象牙を狙う密猟者らが原因で、象が大幅に減少しているからだ。

象の保護活動の最前線といわれるアフリカ・タンザニアには、かつて30万頭がいたものの、今や4万頭ほどしか残っていないという。

この現状をどうにかしようと立ち上がった男がいる。戦場で修羅場をかいくぐってきたアメリカ軍の元兵士だ。

目的を失ったイラク帰還兵
「ココが生きる場所」

6fc64151eb8026c8b40271b71139ccfa9f6ec1ff

密猟者から象を守るために野生動物保護組織を立ち上げたのは、ライアン・テート。彼は、アメリカ同時多発テロ事件後、海兵隊に志願。その後イラクへ派遣され、最前線で戦ってきた。

帰国後「目的を失い、退屈ですることがなかった」と、ライアンは当時の生活を振り返る。街中でケンカを繰り返す荒れた自分の姿は、他の退役兵にも重なったという。そのような生活の中、ライアンは衝撃の映像を目にすることになる。

11380990e63415c8b17b3f2bd421bfcf1fd41d30

「顔を切られた状態で、まだ息のある象の映像を見ました。その目からは屈辱の感情が読み取れました。戦地で見たどんなものよりも衝撃を受けたのです」

「退役軍人と野生動物の双方を助けるため、密猟対策に自分の力を生かしたい、そう考えるようになったのです」

象と退役軍人、繋がるはずのない二つの点が重なった瞬間だった。

相手は15分で象を殺す
「猛毒」の持ち主

Dda9fb6c66187bfbb485fdef31549ceca5eba0a3

ライアンが声をかけたり、噂を聞きつけた元兵士たちが参加して、組織のメンバーが集まった。彼らは手始めに、原住民族に扮して不法な取引をしている密猟者たちを暴くことに。作戦メンバーたちは象牙の仲介者のふりをして、怪しい人物に近づくことに成功。そこで密猟者が誰なのかを認識した。

ひとまず、計画を無事に終えたこともあり、チーム内はリラックスムードが漂っていた。が、作戦の次の段階の話になると、敵の本当の恐ろしさを知ることになる。

3632c4b83068080aca6d58bd9001cc83cc850605

密猟者らは原住民族を真似て、樹皮をペースト状にして毒を生成、それを矢じりに塗ったものを武器としているという。「彼らに取り囲まれないようにしないと」と、メンバーの1人が発言。すると、その場は笑いにつつまれた。戦場にいた彼らにとっては、そんなもの脅威に感じないのかもしれない。

しかし…、

「誰かが負傷したとしても、手当てできる場所まで最低でも1時間はかかる。相手が使うのは15分で象を殺すほどの猛毒だ」

という現実に、元兵士らの表情は一瞬にして凍りついたのだった。

互いの裏をかき合う
密猟者VS元米兵

31e9b7c360e04235d4cb17dd05b06003b59928f3

こうして作戦は、密猟者逮捕へと進んでいく。象牙目当ての観光客のふりをして、相手を捕まえようとメンバーは彼らと連絡を取り始める。

待ち合わせを決めて計画を練っている矢先、思わぬ連絡が入った。どうやら待ち合わせ場所を変更したいようだ。「村に来い」。これはライアンたちにとって、予想外の展開だった。

C29f1913966fa096cfad2f4e99aec7436b9ea0ab

攻撃しようと企んでいるのではないか、そう予想したメンバーたち。村へ行くことは断ったものの、悪い予感は的中した。道中で待ち合わせた案内役を車に乗せると、彼が武器を所持していたことに気がつく。後方からは、密猟者の仲間がバイクで追ってきた。

B3ca8a8d9e0584877791fc66b80aa3fedacf1839

車内に緊張が張り詰める。同じ車に乗っていたメンバーらは、武装した案内役を取り押さえることに。

A97a63b9967cc867c558ee094cb6e37e47d78291

男がスキを見せた瞬間に押さえつける。

「暴れるんじゃないぞ。おとなしくしてろ!」

武器を持った男を確保。そして、後方から追ってきていたバイクの男たちも。

1ce75d76f0ae67a7b558510d5cc9b481e0eee123

緊急の事態を想定して、離れたところから車でつけてきていたライアンたちが取り押さえることに成功。この摘発で、密猟者を特定することはできた。しかし、資金源である犯罪組織の追求はこれからだ。

と、ここまでのライアンたちの行動は、『エレファント・ウォーズ エピソード1』での出来事。エピソード2では、ライアンが軍隊で培ってきたことを地元レンジャーに伝授。一段階レベルアップした作戦が遂行される。

【番組】『エレファント・ウォーズ Ep.2』
【日時】10月10日(火)22:00〜
※アニマルプラネットにて視聴可能。未視聴の人はこちらから。

Licensed material used with permission by Discovery Communications
2015年8月、ケニアのサバンナで密猟によって毒矢を打たれた、雄のゾウと2頭の雌ゾウが、人間に助けを求めてやってきたと「The Mind Unleashe...
どんな動物よりも多く、人間を殺している。人間の死因としては、戦争よりも多い。これは、「蚊」がもたらす脅威の話。日本では梅雨から夏にかけて一気にあの不快な音...
アフリカ・ケニアの自然保護区に、「Googleストリートビュー」が新たに加わりました。ただ、赤土の道をガイドしている訳ではありません。今回のプロジェクト、...
日々すくすくと成長していく子どもの姿は、動画や写真でどんどんスマホに溜まっていきます。でも、忙しかったり、実家が離れていると、子どもの近況を伝えるのも一苦...
サイやトラは、絶滅が危惧されている動物。しかしその状況下にあってもなお、密猟が行われ続けているという問題があります。その対策として作られたのが、なんと「バ...
8月12日は、世界象の日。絶滅の危機にある現状と、保護を訴える目的で2012年に制定された。Elephant Voicesのチームも「いま危機的状況にある...
いま、ガン治療の特効薬になる可能性を秘め、世界が注目している遺伝子がある。この遺伝子を最も多く持つのがゾウ。人間も含む動物のなかでも、「ゾウだけはほとんど...
時折、卓越した動物たちのパフォーマンスに一喜一憂することがある。しかし、ここで紹介する動画を見ると、それが厳しいトレーニングによってもたらされた結果だとい...
何かを咥える、勇ましいワニの姿―。これは動物園やサファリパークで楽しめる“お馴染みの光景”です。が、その舞台がゴルフ場となると話は別。こんなワニが池から登...
ファンタジックで鮮烈な色彩が特徴の動物とヒトの写真。両者が、まるで絵画のように寄り添っている姿は、どこか温かい気持ちにさせてくれます。このシリーズはフォト...
お金持ちの家で壁に飾られている動物の「剥製」。実際には見たことなくても、映画やドラマの中で象徴的に映し出されているシーンはイメージできるのではないでしょう...
アメリカのスイマー、マイケル・フェルプスが水泳界に残した輝かしい実績は、この先も語り継がれるに違いないと確信できるほど凄いもの。リオ五輪後に引退を表明して...
百貨店のリニューアルといえば、2013年に森田恭通が手がけた「伊勢丹新宿店」が記憶に新しい。が、ここで紹介するのはそのインパクトにも負けない新規案件だ。舞...
カリフォルニア州の動物病院に勤務するEvan Antin医師。彼がとにかくイケメンなんです。大人のセクシーさには、病気だったはずの動物たちも思わずうっとり...
子守唄は赤ちゃんだけのためではないかも?タイの動物保護施設「Save Elephant Foundation」にいるFaamaiは、飼育スタッフのLekさ...
ライオン、ゾウ、バッファロー、ヒョウ、サイ。アフリカのサバンナに生息するこれらの野生動物は、通称「BIG5(ビッグファイブ)」と呼ばれ、狩猟が厳しく禁止さ...
今日、絶滅の危機にある動物を紹介するキャンペーンとして、国際動物福祉基金(IFAW)が制作したビジュアルイメージが、世界で高い評価を得ている。過度な森林伐...
京都・伏見の地で、340年以上にわたる伝統を紡いできた造り酒屋、増田德兵衞商店。2017年6月29日、この由緒ある酒蔵を舞台に、伝統と現代を結ぶ新たなスキ...
南アフリカ・ケープタウンを拠点に活動するグラフィックアーティスト「Falko」は、同国のアートシーンを牽引してきた存在らしい。ここで紹介するのは、そんな彼...
「どこでも走り回れるし、いつでも新しい冒険ができて大好きだった」小さい頃からの牧場生活をそう振り返るのは、学校へは行かずにホームスクーリングで育ってきたと...