「2400日」を快適に過ごすための布ナプキン

2,400日。

これは、女性が人生のなかで「生理期間」として過ごす平均的な日数。2,400日は、実に6年半もの時間に相当する。そんなに長いのならば、この期間をもっと大切にするべきだと思いはしないだろうか。この期間は、女性と一緒に過ごす男性にとっても"いつもよりちょっと"気をつかうため、女性が快適であることに越したことはない。

そこで今回は「布ナプキン」という存在に注目してみた。

「布ナプキン」とは?

その名の通り、布で作られた生理用ナプキンのこと。色や形は様々だが、共通しているのは「使い捨てない」ということにある。4〜5時間使用したら交換し、洗濯して清潔に保ちながら繰り返し使う。

一方、使い捨てナプキンは「紙ナプキン」と表現されることもあるが、実は紙で作られているわけではない。肌に触れる面は主に、ポリエチレンフィルムまたは不織布、内部は高分子吸収ポリマー、それと直接肌には触れないが、ずれ防止のために粘着剤も使われており、これらはすべて、石油由来だ。

「軽い・薄い・使い捨て」という手軽さと引き換えに、体のデリケートな部分にケミカル素材を触れさせ続けている、とも言える。その反面、ふんわりと柔らかな布ナプキンは、経血をしっかりと吸収してくれながらも、普段の下着と変わらない肌触りをもたらしてくれる。

自分の体調を感じられるのは
自分だけ。

人間の体から排出されるものはすべて「体からの便り」と言われるが、毎月の声まで使い捨ててはいないだろうか。布ナプキンをつかって自分の経血を目で確認するようになると、今までの思い込みにも気づく。

たとえば、不快な匂いが気になっていた人、あれは経血の匂いではなく化学繊維がムレた、あるいは化学繊維に雑菌が繁殖した匂いだと知るだろうし、同様に、使い捨てナプキンよりも通気性が良い布ナプキンにしたら、肌の痒みやかぶれがなくなることも実感するだろう。しかもこれらは、布ナプキンに変えたら比較的早い段階に起こる変化だ。

他にも、実は睡眠中はさほど出血しないということや、毎回4〜5日間で終わることなども、多くの布ナプキン愛用者に起きる。

もしもあなたが睡眠中の経血漏れや、生理が7〜8日も続くという本来なら持たなくてもいいストレスを少しでも感じているのであれば、布ナプキンにすることで解放される可能性もあるだろう。

さらに布ナプキンは、使う年月とともに相乗効果が生まれる人が多い。たとえば生理不順だった人のサイクルが順調になることもあれば、立っていられないほどの生理痛が軽減された人、PMSや冷え性が改善された、といった愛用者が世界中にいる。

大切なパートナーや家族の健康問題に直結していると考えたら、生理は女性だけの問題ではない。大きな意味でいえば、次世代を生み出す女性の体が健全であることは、地域や国の将来に繋がることだとも言える。

男性には理解と知識を深め、布ナプキンを手洗いする女性を愛おしく見守ってほしい。

まずは、試しやすいときから。

東京を中心にオーガニックコットン製品を作って23年、布ナプキンも製造販売している「メイド・イン・アース」のブランドマネージャー、前田けいこさんは「まずは1時間だけでもいいから使ってみてほしい」と話す。

確かに1時間だけでも、それが毎月、何年間も積み重なれば相当な時間だ。さらに前田さんは「最近、おりものシートを使っている人が多い」ことを懸念。薄くて軽いが、あれも同じ石油由来。普段の日に使っているということは、四六時中ずっと触れさせていることになってしまう。

生理中ではない普段の日だからこそ気軽に、布に換えやすいときだと言える。おりものシートの代わりには、ミニサイズで使いやすい布ナプキンを選ぼう。

知って欲しい
「快適さ」

もしかしたら”使い捨てないこと”に対する戸惑いが、あるかもしれない。確かに経血のついた布ナプキンを洗濯することや、外出先から持ち帰ることは、使い捨てナプキンしか使ったことない人には大きな変化となる。

しかしそこは最初だけ。あまり考え込まず、できれば早くあの快適さを味わって、必要以上に抱えていたストレスから解放されてほしい。

だいじょうぶ。洗濯はつけ置きするだけだし、外出先や旅先ではジップ付き袋や小さな水スプレーボトルなど、ほんの少しの工夫だけで済むのだから。

そんなことにも勝る、誇らしい快適さを一度味わってみてほしい。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。