「人生を再スタートするきっかけになるコーヒーを」。世界438軒のカフェを巡った男の新しい挑戦

今の仕事を手放して、世界を巡る——。

多くの人が一度は夢見ることかもしれませんが、ほとんどの人は実行できないまま終わってしまう。

ここで紹介する今岡寛之さん(写真:左)は、そんな無謀とも言える挑戦を成し遂げ、さらに今、次のステップへと進もうとしています。

仕事を辞め
世界のカフェを巡る

今岡さんは、35歳で勤めていた会社を退職。当時、企業で働き続けることへの疑問を抱きながらも、無理をして働き続けていたそうです。しかしその疑問を抑えきれず、会社を離れてカフェを始めることを決意。目指したのは、お客さんに喜んでもらい、そして驚いてもらえるようなカフェ。

面白いアイデアを求めるべき、世界のカフェを訪ねる旅をスタート。それは同時に、自分自身の人生を変えてくれるような“一杯”に出会うための旅でもありました。

「理想のカフェ」とは?

世界中を巡り、多いときは1日に6軒のカフェを訪ねたそう。たとえ同じ国、同じ街であっても、それぞれのカフェが持つ雰囲気はまったくの別物。

たとえばシンガポールの「My Awesome Cafe」では、朝、クリエイティブなビジネスマンがテーブルを囲み、戦略会議室のような雰囲気になる。

ロンドンの「Alchemy Coffee」では、休憩で訪れた地元の人がコーヒーを買うついでにバリスタと立ち話をする、まるで近所の交流スペースのよう。

「バリスタのサービス、カフェの内装、お客さんのファッション、コーヒーと相性の良いマフィン、店に溢れる雰囲気、そして集まる人が、自分の中の可能性を刺激する。そして、その可能性は物語の始まりでもあります。そのカフェでしか始まることのない物語があるんです」

彼もまた、訪れる人の可能性を刺激し、物語が始まるカフェづくりをすべく、日本へ帰国。

理想を実現できる場所
熊本「サイハテ村」

その後は国内でも旅を続け、ついに自分の理想のカフェを形にできる場所と出会いました。それが、熊本県にある「三角エコビレッジ サイハテ村」というコミュニティ。

ここは、パーマカルチャーデザインを取り入れた自然溢れる1万坪の敷地に子どもを合わせて27人の住人で、ルールもリーダーもいない“お好きにどうぞ”というコンセプトのもと、それぞれ自分の好きなように日々を過ごしているのです。

大工、猟師、映像クリエイター、マッサージ師、歌手など、個性豊かでクリエイティブな住人たち。このサイハテ村に住む多くのクリエイターたちと出会い、「自分らしく生きる力強さ」を感じたと言う今岡さん。そして、自分でも何かできるのではないか、と可能性を感じたのです。

ここでなら、人の笑顔に繋がる価値を生み出せる、と。

カフェができれば
さらに可能性が広がるはず

世界中のカフェを巡ってきた今岡さんは、良いカフェはコミュニティのような特別な場の力を持っていることに気づきました。

多くの住人が集い、ゲストが訪れ、交流するコミュニティだからこそ、カフェが誕生すればさまざまな可能性が広がるはず、と考えたわけです。

また、サイハテ村の住人のひとりである坂井勇貴さんは、オーストラリアのカフェでトップバリスタとして活躍していた経歴を持っています。23歳の頃に単身でオーストラリアに渡り、さまざまなカフェを巡りながら、皿洗いから独学でバリスタまで上り詰めたのだそうです。

サイハテ村の住人、坂井勇貴さん。オーストラリアのトップバリスタ。

現在今岡さんは、ユニークなプロジェクトに挑戦中。それは自分のカフェを開く資金を集めるのではなく、最高なカフェを作るにはどうしたら良いか? という想いから生まれたアイデアでした。

「自由に生きる人たちのコミュニティであり、最高のロケーションを供えたサイハテ村と、バリスタのスキルを持った住人がいる。あとは、業務用エスプレッソマシーンをサイハテ村にプレゼントすれば、きっと最高のカフェが生まれる」

今岡さんは、その資金の一部をクラウドファンディングで集め、サイハテ村に業務用エスプレッソマシーンを贈り、想いを届けることで最高のカフェを生み出そうとしています。彼の「ちょっと変わったカフェ作り」を応援したい方、詳しくはこちらから。

Licensed material used with permission by CAMPFIRE
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。