「HIVのシェフ」が作った料理で感染。それって本当だと思う?

カナダのHIV・エイズ患者ケアセンター『Casey House』は、HIVに関して未だに誤った認識を持っている人が多いことに対して、危機感を抱いている。

HIVの感染経路は主にこの3つ。

・母子感染
遺伝ではなく、出産や授乳時による感染

・血液感染
麻薬注射等で注射器を使い回すことによる感染

・性感染
セックスによる感染

参考:HIVと人権・情報センター

なかでも、報告されている感染のほとんどは性感染によるもの。今では、感染したとしても有効な治療を受けていれば、安全にセックスできるところまで医療は進化している。

それにも関わらず、「HIV陽性のシェフの作った料理を食べれますか?」という調査を『Casey House』が実施した結果、約半数がNOと答えたそう。

パスタでHIVが感染する?
そんなのありえない。

間違った情報を信じている人がいる限り、感染者への偏見や差別は終わらない。この現状を少しでも変えるべく、『Casey House』はシェフ全員がHIV陽性のレストランをオープンさせた。

#SMASHSTIGMA
汚名を返上せよ

この企画は多くのメディアに取り上げられ、200席のチケットはすぐに完売。実は2日間限定オープンだったのだけれど、彼らの「確かな情報が浸透しない限り、この問題は解決しない」という思いは今でも拡散せれつづけ、予想以上の成果をおさめた。

エプロンには、HIVへの偏見に対して各々の訴えが記されている。

シェフを全員感染者で揃えたというメッセージ性の強さゆえに、SNSでは批判の声も見られた。けれど、少なくとも、このレストランで料理を食べた2日間のお客さんたちは、事実と異なる情報を安易に飲み込むこんではいけないと、改めて心に刻んだに違いない。

Reference:@caseyhouseto
Licensed material used with permission by Casey House
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。