人類最古の住居は「マンモスの骨製」だった可能性【調査結果】

『3匹の子ぶた』って覚えてますか?

子ぶたの三兄弟が、宿敵オオカミから身を守るために藁、枝、レンガでおうちを建てた結果、時間と労力をかけたレンガ造の末っ子が生き残る物語。

教訓として「努力家が最後に報われる」とか、「成果を出したいなら堅実に進めることが大切」などが読み取れるようだが、幼い筆者は当時こう思っていた。

将来建てる家、できるだけ強くしたろ……。

さて、今から3万〜1万年前に生きた人類の祖先も、そんな思いを抱いていたとかいないとか。

ウクライナ・メジリチ遺跡で多数発見されたマンモスの骨小屋から、太古の人々の暮らしぶりが読み取れる。(画像は「国立科学博物館」に常設中のレプリカ)

© kahaku_nmns/Instagram

95個の下顎骨をはじめ、400にものぼるマンモスの骨を使った、人類最古とされる建築物。乾燥状態でも数百キロの重さの骨をドーム状に組み上げる作業は、それこそ“骨の折れる”作業だったはず。

それでも建てた目的は「極寒や強風から身を守るため」という可能性が高いようだ。

というのも、こうした住居が各地で建ったと推測される2万5千年前は、ちょうど最終氷期の真っ只中だったから。『Nature』に掲載された研究によると、年平均気温は今より6.1度も低かったという。

そんな気候下でも生き抜いた秘訣は、強固な骨組みに動物の皮をかぶせるような、機能的な建設技術にあったと考えられている。ちなみに遺跡の中央には囲炉裏石器も見つかっており、丈夫で暖かい家の中での、家族団欒の食卓が目に浮かびそう。

マイホームを夢見るあなたへ。世の中が落ち着いたら、“強い家”のルーツを探りに国立科学博物館へ足を運んでみるのはいかが?

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