「あなたのウンチ、4000円で買い取ります」斬新すぎる医療プロジェクトで、世界を救う

あなたのウンチを買い取る
画期的な団体が、登場!

誰だってウンチはする。それが何かの役に立つかも、なんて考えもしないだろう。しかし毎日トイレに流されてしまうウンチの持つ、意外な価値に注目したプロジェクトが発足した。

米・ボストンにあるOpen Biomeは、菌を研究している非営利団体。この組織が、なんとウンチを買い取ってくれるというのだ! 価格は1回の提供で40ドル、年間にするとおよそ13,000ドルにもなる。排泄物がお金になると思えば、かなりの高額と言えるだろう。

それにしても、購入されたウンチは一体、何に使われるのだろうか?

糞便移植で、菌を撃退!

近年、クロストリジウム・ディフィシルという菌が問題になっている。多くの人の腸に生息している菌で、通常はさしたる害は及ぼさないのだが、病気にかかり抵抗力が落ちると、とたんに急増殖して毒素を生成しはじめるのだ。

この菌によって、毎年アメリカで250,000人が腸炎を発症しており、そのうち死亡例はなんと14,000人に及ぶ。しかも感染力が高いため、病院や老人ホームなどの閉鎖空間において、大規模で重大な院内感染が起きることが問題になっているのだ。

このクロストリジウム・ディフィシル菌に対する最も有効な対処法が、実は糞便移植だそう。これは健康な菌を含んだ便を他の人から提供してもらい腸の中に導入するというものだが、その成功率はなんとほぼ100%に近い数字だという。まさに特効薬と言うべき治療だ。

しかし糞便移植を行うためには、便を提供するドナーが必要になる。そこでウンチを広く買い取ろう、というのが今行われていることなのだ。つまり「ウンチを売る」というのは、正確に言い換えれば「糞便移植のために便を提供するドナーとなる」ということになる。

ウンチが人を救う!

買い取られたウンチは、冷凍保存され、糞便移植用に加工された後、病院に治療のために出荷される。そして重篤な腸炎で苦しむ患者を、ウンチが癒すのだ。ウンチが人命を救う日が来るとは、なんとも驚きだ。

Reference:OpenBiome
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。