「準備とは、言い訳を排除すること」。イチローに学ぶ準備の極意5つ

面接やプレゼン、商談など、成功に向けてあらかじめ準備するのは当然かもしれませんが、あなたはその準備をどれだけ大切にしているでしょうか?イチローが成功をおさめた秘訣。それは彼の「完璧な準備」にあったと言います。

彼の野球に対する姿勢は、私たちの日々の仕事にも応用できることばかり。今日から参考にできるイチローの仕事術を、児玉光雄さんの著書『イチロー流 準備の極意』から厳選して紹介します。

01.
結果は本番前に決まっている

「ハイレベルのスピードでプレイするために、ぼくは絶えず体と心の準備はしています。自分にとっていちばん大切なことは、試合前に完璧な準備をすることです」

なぜ、彼はヒットか凡打かで一喜一憂しないのか?

それは「これだけ完璧な準備をしたのだから、どんな結果に終わろうとも後悔しない」という覚悟があるからです。

私たちが仕事をする上でも、この「完璧な準備をする」という心構えは見習う必要があります。運命を左右する肝心な場面が訪れるとき、誰もが綿密な準備をするはず。実は、この本番が始まる前の準備で、すでに結果は決まっているのです。

「完璧な準備」をすることで本番への自信にもつながり、結果がついてきます。つまり、大きな成果は「完璧な準備」にあるのです。

02.
準備とは
「言い訳を排除する」こと

「ようするに“準備”というのは、言い訳の材料となり得るものを排除していく、そのために考え得るすべてのことをこなしていく、ということですね」

最近、メジャーリーグは、“40歳定年”という不文律が成立するような気配があります。メジャー最年長野手のイチロー(2016年1月現在)は、現在42歳。なぜ、彼は40歳を超えてもメジャーで活躍できるのでしょうか?それは、彼が体形だけでなく身体能力も20代のときとほとんど変わらないからです。

また、彼のプレーを安定させるのは、寸分の狂いもない試合の準備。ストレッチはほかのどの選手よりも丁寧に、一つ一つの動きを真剣に。その確立された準備の方法は、メジャーデビュー以来ほとんど変わらないそうです。

自分の定めた決め事を習慣化させることで、条件反射のメカニズムが働き、結果に左右されない強い精神力を養うことができます。そして、そのことが仕事の成果へつながることをイチローは実証しているのです。

03.
本番に強い人に
共通する「習慣」って?

「1打席のために、朝から、もっといえば、前の日のゲームが終わった時から、僕は(準備を)やるわけですから、その1打席の結果によってムードが変わるよね。自分の中で。そりゃあ、出なかった時は、整理ができないかなあ」

いくら本番でベストを尽くそうと思っても、その前の周到な準備がなければ良い結果は引き出せない。イチローにとって最大の敵は相手チームの投手ではなく、完璧な準備を妨げる予想外の出来事なのかもしれません。

自分が納得できる準備をして本番に挑む。彼がそのことに強いこだわりを持っているのは、予測不能な本番は「本能」での仕事であり、準備を正確にすることがその「本能」を支えていることを知っているからです。

彼は気の遠くなるような時間を費やして高度な技術を身につけました。その技術を最大限に生かすのは、精神面を含める準備。彼は、やるべきことのすべてを試合開始前の時点で完結しているのです。

04.
心と体を万全に整える

「できる限りの準備をしても、次の1本が打てる保証がない。だから野球は楽しい」

イチローは、スターティングメンバーを外された試合でも、2イニング目には室内練習場で打撃練習を始め、いつ代打で呼ばれてもいいようにコンディションを整えています。通常、試合の前半はベンチで試合観戦し、中盤以降に打撃練習をする。彼は、準備が間に合わない、といった事態を避けるために徹底しているです。

チームプレーにおいて、役割が違うだけで仕事の重要性に差はありません。代打を含め、どのポジションが欠けてもチームは成り立たないのです。

たとえ出場の機会が限られたとしても、フル出場と同様に完璧な準備をして、本番に挑む。私たちはこの姿勢をイチローから学ぶべきなのかもしれません。

05.
仕事のルーティンを
疎かにしない

「まず家に帰ります。妻が夕食を準備する間、自分のマシーンでトレーニングをすることで翌日に備えます。夕食を食べて、そこからまたマシーンでトレーニングします。そして、2時間のマッサージを受けます。毎晩? 毎晩です」

イチローは、試合を終えた後、ロッカーに戻るとすぐに愛用のスパイクを磨きます。次にオイルを使いながら入念にグラブの手入れを行い、さらに、スタジアムをあとにした帰宅後は食前と食後に決められたトレーニングメニューをこなします。そして、2時間のマッサージを受ける。これが彼のルーティンだそうです。

「次の日の試合に向けて自分ができるすべての準備をしています。全部の打席でヒットを打ちたい。同じことをずっと、ずっと繰り返しています。これが僕の考えであり、僕のやり方です」

彼の言うように、オフタイムをただのリフレッシュにあてるのではなく、自ら定めた準備を繰り返し実行してみましょう。その習慣が次の仕事までの時間を充実したものへと進化させてくれます。

Top Photo by Ronald C. Modra/Getty Images Sport/Getty Images
『イチロー流 準備の極意』 児玉 光雄

なぜ、イチローはその道の頂点に上り詰めることができたのか。そのヒントは、彼の日々の目立たないルーティーンの中に隠されていました。あなたの独自の成功習慣を構築するために役立つ、イチロー流の「仕事論」。彼の名言とともに仕事で大きな成果を上げるコツを多数掲載。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。