「マリファナピザ」がマサチューセッツに新登場

アジアをめぐるバックパッカー連中のあいだで、こんなうわさ話が。「マリファナ入りのピザがあるらしい」、僕がこの話を聞いたのは2000年前後だった。噂の真相を確かめるため東シナを南下し、プノンペンを訪れたのは、数年後のこと。

現地の人間に尋ねてみると、それは「ハッピーピザ」と呼ばれていて、トンレサップ川沿いのレストランにあるという。

レストランは、観光客で賑わうエリアのど真ん中に位置していた。王宮は目と鼻の先。まさか、こんな健全な場所にはあるワケない。からかわれただけかと、メニューを開くと驚いた。確かに「ハッピーピザ」は存在していたからだ。

あれから十数年、先日マサチューセッツ州でもマリファナ入りのピザが登場したニュースを知って鳥肌が走った。だって、医療用として処方されているというんだもの!

マリファナ入り食品メーカーの新作

このピザの製造、販売はマサチューセッツにあるErmont社。クッキーやコーヒーなどマリファナ入り食品に特化したメーカーらしい。

そもそもマサチューセッツ州では、医療用のみならず、娯楽用としても大麻が合法化されている。だが、同社はあくまでピザを治療の一環として提供しているそうだ。オペレーティングディレクターであるSteve Yaffe氏の言葉を「Men's Health」が紹介している。

「できるだけ砂糖を使わず、美味しく食べられるものを提供しようと思い開発しました」

思えば、これまで目にするマリファナ入り食品といえば、クッキーや、ブラウニー、など砂糖をふんだんに含んだもの。いまやアメリカ人にとって、砂糖の方がよっぽど体に悪いもの、という認識があるのだろうか。

ところで医療用マリファナは、がん治療にともなう痛みの緩和や、うつ病、不眠症、てんかんなど、アメリカでは200以上の疾患に対して効果がある、という認識をされてきている。

どうやらErmont社には、こうした疾患を持つ人たちに医療用として処方するための、いわゆる処方箋薬局のような部署も存在するようだ。というのも毎日、300〜400人ほどの患者が、このピザに限らず何らかの医療用マリファナを求めて列をなすというから。

「もう鎮痛剤は使いたくない」ともらす患者もいるらしいから、アメリカ版ハッピーピザのような“変化球”が登場する文脈も分からなくもない。現に徐々に人気も高まっているというし。

とここまで書いておきながら、ここで紹介したピザの写真は、残念ながらErmont社のものではない。ただし同じくマサチューセッツ州で撮影されたものであることは間違いない(Ermont社のピザは、コチラ)。

米国中で加速する合法化

2017年7月現在、米国でマリファナが合法化されていのは首都ワシントンD.C.および、29州にものぼり、全州の半分以上を越えている状況。

詳しくみていけば、医療用と娯楽用に分けられる。現在、医療目的限定の合法化を定めているのは、21州(以下、※1参照)。対して、娯楽用、つまり、全面合法化になっているのは、8州(以下、※2参照)。1996年にカリフォルニア州ではじまった合法化の波は、もはやアメリカ全州を飲み込もうとしている。それも近いか?

さてもし仮にそうなった時、マリファナピザも全米を席巻し、マンハッタンのピザ屋でも、デリバリーでも、マリファナ入りが当たり前のように販売されるようになっても、もう何も驚けない。“ハッピーピザ革命”が勃発して、世界のピザの歴史が塗り変わるかも(…なわけないか)。

※1.アーカンソー州、アリゾナ州、イリノイ州、ウエストバージニア州、コネティカット州、デラウェア州、ニュージャージー州、ニューハンプシャー州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、ノースダコタ州、バーモント州、ハワイ州、フロリダ州、ペンシルバニア州、ミシガン州、ミネソタ州、メリーランド州、モンタナ州、ルイジアナ州、ロードアイランド州
※2.アラスカ州、オレゴン州、カリフォルニア州、コロラド州、ネバダ州、マサチューセッツ州、メイン州、ワシントン州

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