ヤバいくらいにかっこいい!世界の広告史に名を刻んだCM

ジェフの勝手にカルチャー論 Vol.38 
「ジョナサン・グレーザー」

海外のCMでどうしても忘れられないものがいくつかある。

1つは、Guinnessだ。タグライン(ブランドが約束する価値を要約して説明する文)の“Good things come to those who wait”(良いものは待っている人に来る)は、ギネスビールの飲み方を表現している。つまり、グラスに注がれた後は、泡が落ち着くまで待つことがビールを美味しくいただく秘訣だというワケだ。

数あるGuinnessの名作。その中でも1番好きなのが、“Surfer”だ。何故、ビールのCMなのにサーファー?という人のためにちょっと解説すると、サーフィンをする時にもいい波を待たなければならないから。「何かを待つ」という共通点をリアルなサーファーたちを起用して描写したのだ。

アメリカの小説家であるハーマン・メルヴィルの「白鯨」をモチーフとした力強いナレーション、荒ぶる馬たちのCGとのミックス、そして、ドラムが響く低音の効いたSE(音響効果)と合わさったモノクロのCMは、パワフルで素晴らしい仕上がりとなっている。

もう1つは、LevisOdyssey”一組の若い男女がエモーショナルなオーケストラの演奏にのせてひたすら壁をつき破るというシンプルなCMには、ナレーションは一切なく、ただ男女の表情や動きのみで表現。タグラインのFreedom to move(動く自由)は、動きやすくカットされたEngineered Jeansのことを意味する。

若い男は、フランスの俳優であるニコラ・デュヴォーシェル。並走する女性は、アントワネット・スギエ。二人が見つめ合った次の瞬間、疾走はエスカレートして、木の上を走り、ついには、空へと大きく舞うシーンで終わるのだけど、タイトルであるOdyssey(長い冒険の旅)へと出かけるようなアクションが見事なのである。

この2つのCMをディレクションしたのが、イギリスの映像作家であるジョナサン・グレーザーだ。ジョナサンは、CMだけでなく多くのミュージック・ビデオの演出も手がけてきたキャリアを持つ。1996年に大ヒットした、あのジャミロクワイ“Virtual  Insanity”のトリッキーな映像と言えば分かるかもしれない。

?という人は、日本でもソニー(1997年)、日清カップヌードル(2010年※これは映像も)、トヨタ(2017年)のCMに使われたこともある曲と言えばぴんとくるかな。まあ、きっとどこかで一度くらい耳にしたことがあるはず。

この映像のセット、床が動いているように感じるけど、実際には壁が動いているんだよね。1分2秒あたりで、唄い踊るジェイ・ケイが壁に軽く触れてしまって、ジョナサンが一瞬冷やっとしたという裏話もある。

TABI LABOのライターのJeff Kidoが、古今東西のカルチャーについて独自の視点から好き勝手に論じる『ジェフの勝手にカルチャー論』。1分で読める記事を、毎日1本公開していくぜ。

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