日本人の3人に1人は読んでる漫画の「名セリフ」

ジェフの勝手にカルチャー論 Vol.59 
「ブラック・ジャック」

医療をテーマに扱った漫画『ブラック・ジャック』は、手塚治虫の代表作である。

ブラック・ジャックは、無免許でありながら、天才的なオペで奇病・難病の患者に次々と奇跡を起こしていく。

顔に大きな傷を持ち、黒マントを羽織って、法外な手術費用を要求する。主人公は、それまでの清廉潔白なヒーローとは明らかに一線を画す存在だった。

アウトサイダーな生き様とは裏腹に義理人情にはあつい。その生き様は、当時、悪ガキだった俺たちを夢中にした。

そして、のちに医療漫画のジャンルが生まれるきっかけとなった金字塔でもある。特筆すべきは、この漫画をきっかけに医師になった者も数多くいると言われていること。

じつは、この漫画は、短期間で終了する予定ではあったが、定期不定期合わせて10年ほど続く長期連載となった。

単行本は、秋田書店の少年チャンピオン・コミックスにまとめられたのが最初で、その後も愛蔵版や手塚治虫漫画全集にも収められ、文庫版はミリオンセラーを達成した。

また、1994年からスタートした1990年代のマンガ文庫のブームの火付け役になり、単行本は、新書版・文庫版・ハードカバー等を含めた発行部数が日本国内で4564万部、全世界では1億7600万部に達しているとのことだ。

しかし、連載開始時の人気は低くてほぼ最下位。担当編集者は編集長から「どうする?」と聞かれて困ったという話が残っている。その後、じりじりと順位を上げて以降軌道に乗るまでになったのではあるが。

その頃『週刊少年チャンピオン』に同時期に連載されていた『ドカベン』『がきデカ』『マカロニほうれん荘』といった超ヒット作には及ばなかったものの、10年間にわたり安定して柱となり、『週刊少年チャンピオン』の黄金時代を支えることになった。

今でも、ファンの間で語られるのは、最終話『人生という名のSL』。この後に13本ほど発表されたので、実際の最終話は『オペの順番』だが、SLの方がブラックジャックにとって忘れられない重要人物が次々と登場し、作品の集大成とも言うべき内容となっている。

特に命の恩人である本間丈太郎先生に諭されるシーンは、俺たちに生命のあるべき根本的な考え方を提示してくれるのだ

ブラック・ジャック(以下BJ):「二次感染が危険です」
「いっそ人工臓器や義肢にとりかえてはどうでしょうか?」
「五十パーセントまで人工器官ととりかえてもだいじょうぶと思いますが」

 

本間:「きみは人間をロボットに改造するつもりかね?」

 

BJ:「いえそうではありませんが・・・そのほうが助かる公算が大きいのなら・・・・・・」

 

(中略)

 

本間:「われわれは医者なんだぞ 神さまじゃないんだ」
「このクランケをたとえロボットのようにまでかえてなおしたとしても」
「クランケが悲観して生きるのぞみを失ったらどうする?」

 

「これだけは きみもキモにめいじておきたまえ 
医者は人をなおすんじゃない
人をなおす手伝いをするだけだ
なおすのは・・・本人なんだ 本人の気力なんだぞ!」

「医者が人の生き死にのカギを握るなんて・・・・・・・・・・・・」

「思いあがりもはなはだしいんじゃないか?」

 

BJ:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

何を隠そう、俺は、大学1年次の保険体育の筆記試験でこの内容をママ書いてAをもらったのだ。シシシ(笑)!

出典:手塚治虫『ブラック・ジャック』(秋田書店) 最終話『人生という名のSL』
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