アマゾンの強烈な幻覚剤「アヤワスカ」を求めて vol.7

僕は水中にいた。

魚もいない、何もない水の中。それだけの世界だった。

いつしか水は氷に変わり、あたりを冷やし、霧となった。霧は雲に変わって雨となり、また水になる。僕は水と同じように姿かたちを変え続けた。

その水は魚や船、木々、机や人間にもなった。一つのエネルギーがいろんなものに形を変え続けた。この時この世界のことが、ちょっとだけ分かったような気がした。水のように人間も自然も、すべては同じエネルギーが形を変えているだけだと。

僕は他者とのつながり、自然とのつながりに気づかないままに生きていたのだ。その時思った。人間は人間ごっこをしていると。

僕たちは宇宙そのものとして誕生し、人間という形態を生きている。赤ちゃんのときは服を着なきゃとか、立って歩かなきゃとか、ちゃんとした大人にならなきゃとか、何もなかった。

僕たちは、体験によって自分を定義している。転んだら痛いので転ばないよう歩くことを学ぶ。定義に基づいた人生を生きている。

成長するにつれ、社会に、教育に人間という枠を与えられる。社会に適合できるように人間とは何か、世界とは何か、これが正解で、これが間違いだと訓練を受け続ける。これは美しい、これは醜いと、そんなことまで決められてしまう。

人間はそもそも皆違う。甘いものが好きな人がいれば辛いものが好きな人もいるように、何に幸せや喜びを感じるのかそれぞれ違う。そこに良い悪いは存在しない。

違いがあるからこそ面白いのに、僕たちは無意識のうちに同じように考え、同じように生きるよう強要しあっている。人と違うことは変なことだとか、人と同じじゃなきゃいけないとか思ってしまう。そしてこの偽りの人間や自分というイメージに、いつの間にか疑問すら感じなくなる。

「人間」という幻想を、人類は人類全体で共有している。この時の僕は世界がそういう風に見えた。みんな人間ごっこをしているようで、少しおかしくてクスッとなった。

教えられ、与えられた「人間」を生きるのは退屈に思えた。僕はどこにいるのか分からなくなってしまう。個性が無くなってしまう。教わってきた道徳、宗教、社会、両親、先生の考え方を疑おうと思った。

僕はこれに気づいた時から正解を外に求めることをやめた。そして五感で世界を感じて、考えて、自分なりに答えを見出していく大切さに気がついた。

生き方や人生に正解なんてものは存在しない。一人ひとりの心が心地よいと思うことこそが正解であり、心躍るワクワクこそが道しるべだ。

Top photo: © iStock.com/RomoloTavani
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とにかく、好奇心を抑えることが出来なかった。四六時中アヤワスカのことを考え、調べれば調べるほど引き寄せられていった。
夜8時。昼間に案内された儀式をとり行う円形の小屋へ、電気など何もない真っ暗のジャングルを懐中電灯だけを頼りに向かった。
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アヤワスカの世界は、想像を絶するほど生々しく、美しいものだった。
全身に広がる壮絶な気持ち悪さに耐え、アヤワスカを吐き出した。
静けさに包まれていた森が、朝日に照らされ明るくなっていく。一仕事終わった満足げなシャーマンの顔を見て、心を込めて「ありがとう」と言った。
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