自分好みの「味変」を探求するスリランカカレー。@西早稲田

JR高田馬場駅を降りて早稲田方面へ。万国旗はためく飲食店がどこまでも続き、異国情緒が鼻腔と胃袋を刺激する。早稲田通りはさながら世界の食道。ちょうどその中腹にスリランカ料理店「アプサラ」はある。

カレーひとつで勝負する店ではないが、スパイスカレーファンにはすでにお馴染み。インドとはひと味違う、甘と辛を融合させることで生み出されるスリランカならではの味わいがクセになる。

さあ、何から行くべきか。

味を重ねて
オリジナリティを発揮せよ

©2019 HIROMU INOUE

スリランカカレーのバナナリーフ包み(税込1,728円)

 

初めてアプサラを訪れたなら、まずはコレから。

バナナの葉で数種類のカレーやおかずを包んで提供される一品だ。古くからこうして携行する習慣がスリランカにはあるが、観光地によくある伝統文化の再現というわけではない。なぜなら、現在進行形のスタイルだから。

慣れた人なら“手食”でどうぞ。

蒸しあがった熱々の葉を開いていくと、湯気とともに立ちのぼる複雑なスパイス香にむせかえる。スリランカにトリップする瞬間だ。バスマティライスを埋め尽くす10種類ほどのカレーやおかず、色どりにも美意識を感じる。

そう。言うなれば、幕の内弁当。

©2019 HIROMU INOUE

ぐちゃぐちゃに混ぜて食べようとした私をオーナーのジャナカさんが笑顔で制止。流儀は少しずつカレーやおかずを手に取り(スプーンに乗せて)食す。なるほど、食べるたび複層的な味の変化が訪れ、甘と辛が交互に襲ってきた。

ちなみにテイクアウトも可能。これを持ってのお花見も悪くない。

ビールのための屋台メシ
「コットロティ」は外せない

©2019 HIROMU INOUE

チキン・コットロティ(税込1,296円)

 

再訪ならこちらがオススメ。酒飲みを誘惑するスリランカの味だ。

カレーとも食べる薄焼きパン(ロティ)を細かく刻み、肉や野菜、卵とともにスパイスと一緒に炒める大衆食は、スナック感覚で食べても、主食としても、酒のつまみとしてもよしの万能料理。

やや濃いめの味付けで辛さも申し分ない。スパイスの効いたソースをロティが吸収するものだから、噛めばムチムチとヒリヒリが同時に押し寄せてくる。

ひと口でビールに手が伸びる……が、そこをぐっと我慢。

3口かき込んで初めてビールだ。スパイスの刺激で砂漠と化した喉元を通るそれは、もはや至福でしかない。こうしたスパイス料理と相性のいいビールだけを独自にセレクトした「WORLD BEER」も見逃せない。

ビール、炭水化物、またビール……それにしてもスパイスの力を借りると、胃袋がやけに広がるのはなぜだろう。

©2019 HIROMU INOUE

「アプサラ レストラン&バー」

TEL:03-6205-5252
営業時間:11:30〜22:30
定休日:なし
HP:https://apsara-restaurant.com/

Top image: © 2019 HIROMU INOUE
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