【研究結果】「地球の肺」の破壊が深刻。人間の活動が主な原因
南米に広がる世界最大のアマゾン熱帯雨林は、“地球の肺”とも比喩されるように、地球温暖化にも深く関わっている地帯。
近年は、同地の破壊が大きく懸念されているが、1月27日に『サイエンス』誌に掲載された研究結果によると、破壊の進行が想像より深刻だという。
35人の科学者と研究者からなる国際チームの研究によると、残りのアマゾンの森林面積の最大で38%が (これは英国の10倍の面積に相当するらしい) 、何らかの形で人間による負の影響を受けていると分析。
これは、森林破壊と同等、またはそれ以上に深刻な炭素排出を招いているようだ。

©Alex Argozino/Studio Argozino
熱帯雨林の破壊を完全に定義するのは難しい。この論文では、森林の破壊を4つの障害にカテゴリー分けしている。
「森林火災」「エッジ効果(森林伐採に付随して、隣接する森林で発生する変化)」「選択的伐採 (違法伐採を含む)」「極度の干ばつ」の4つだ。
これらの要素は、密接に関連しており、森林の一部が失われれば、付随して周りの森林もダメージを受ける。
研究者らは、森林劣化に関する監視システムの構築、違法伐採の防止と抑制、および火の管理の徹底を提案しているようだ。
そして、この論文はあくまでも、環境的な観点からの分析であることも忘れてはいけない。人間の幸福や文化的な側面も含めると、森林の喪失はより大きな問題であることは間違い無いだろう。
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