6席しかないのに、なぜか通っちゃう大阪の名店「さささ」

自分が子どもの頃から通ってるお店や、何十年続く老舗もいいけど、最近できたばかりのお店が自分の理想通りだったときの喜びは、計り知れない。

しかも、職場や自宅の近くだとしたら…。

この取材の日に出会った常連さんは、こんな風に話してくれました。

「ぼく、銭湯が好きなんですけど、自宅と銭湯のちょうど中間にこのお店があったんです。最高でしょ?」

大阪の福島駅から徒歩10分ほどにある「居酒屋 さささ」は、オープンして1年ほど。さまざま飲食で経験を積んだ女店主のエリさんが、ひとりで切り盛りする、元気がもらえるお店なんです。

「6席しかないですけどね」

ウソでしょ? っていうくらい狭いけど、それがまたいいんです。6席しかないのに人気だからすぐに席がいっぱいになることもあります。でも、そのぶん先にいたお客さんが譲ってくれたり、みんなが協力してくれるというから、なんだか居心地がいい。

お店のオープンは15時からと、かなり早め。

エリさん曰く、

「なんでか、15時がピークのときもありますからね(笑)」

3,000円使うのが、
むずかしい。

文頭で語ってくれた常連さん、ここでも登場。

「基本、家にありそうなものなのに美味しく作ってくれるのが『さささ』のいいところ。あとね、安いんですよ。いつかこの店で1万円使うって宣言してるんですけど、3,000円でも至難のワザですよ」

日替わりと、定番メニューをバランスよく頼んでみました。

鮭の白子 生レバー風。

赤ウインナー、クリームチーズのねぎおかか和え、梶原家(店主の実家)のいそべもち。

じつは、2階も渋いんです。

忍者屋敷のような急な階段を上っていくと、パーティもできそうな2階スペースがあります。

堂々と「持ち込みOK」と書いてあったり、

懐かしのレコードが飾ってあったり。

「一緒に名店にしていきたい」
と思えること

お店の人とお客さん、という間柄ではなく、「みんな一緒の仲間」というような、そんな感覚。「さささ」で味わえるのは、そんな居心地の良さだし、自分も一緒にお店と成長しているような——。

最後に、店名の由来を聞いてみました。

「あぁー、なんか意味のない言葉にしたかったんです(笑)。リズムというか、ノリというか。私の口グセでもありますし、いくつかの意味があると思うので、ご自由に想像してもらって大丈夫ですよ」

この、絶妙なゆるさが、きっとまた足を運ばせる。

「居酒屋 さささ」

住所:大阪府大阪市北区大淀中3-1-15
(最寄駅:福島駅)
営業時間:15:00〜23:00
定休日:木曜日

Photo by JAPAN LOCAL
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。