500円で4種類。埼玉の日本酒40種を飲み比べできる“試飲”スポット

ここのところ、家飲みには欠かせなくなってしまった日本酒。酒蔵を巡るのも好きだけど、もっと試飲がたくさんできたらいいのにな〜と思ってたら、埼玉の川越市にある産業観光館「小江戸蔵里(こえどくらり)」を見つけました。

日本酒が有名な場所って、新潟や兵庫などだいたい東京から遠いイメージでしたが、千葉に住む私にとっては意外と身近なところでヒットしました。

埼玉県は、意外にも
清酒の出荷量が全国4位

©2018 TABI LABO

埼玉県には利根川と荒川というふたつの大きな河川が流れていて、海はないけど、とても水源に恵まれた土地。意外かもしれませんが、日本屈指の酒どころなんです。日本酒に使われる水のほとんどが軟水なので口当たりも良く、お酒づくりに向いているそう。酒米も「彩のかがやき」や「彩のみのり」など、埼玉県産です。

埼玉県内には35もの蔵元がありますが、「小江戸蔵里」の最大の特徴は、全蔵元の “オススメの一杯” を一箇所で味わうことができるということ。少量ずつ味わえるので、飲み比べをしたい日本酒マニアにはもちろん、これから地酒を開拓していきたいと思っている人でも楽しめます。

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小江戸蔵里は、西武新宿線本川越駅から歩いて3分ほどと、とても駅近にあります。

この建物自体は、昭和6年(1931年)に建てられた川越を代表する清酒の蔵元「旧 鏡山酒造」の酒造蔵を改装したもので、国の登録有形文化財にも指定されています。

なかには「ききざけ処 昭和蔵」の他に、「おみやげ処 明治蔵」「まかない処 大正蔵」「つどい処 展示蔵」など計4つの施設がありますが、すでに飲み比べモードだったので、日本酒の試飲ができるという、ききざけ処へ直行!

自販機に
40種類の地酒がズラリ

©2018 TABI LABO

一歩足を踏み入ると、日本酒のいい香りに包まれます。そして見えてきました、自販機タイプの試飲機!

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まずは、500円で4枚のコインを購入。1枚でおちょこ一杯の試飲ができるシステムです。お酒は全部で40種類あるので、5000円で制覇できるわけですね。

お酒の強さに自信がある方は、ぜひコンプリートしてみてください(過去に1日で全試飲したお客さんが4人いるそう!)。

どの日本酒から
行くべきか……

©2018 TABI LABO

でも、さすがに40種類もあるとなると、さすがにどの日本酒から飲もうか迷ってしまいます。

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「これはありがたい」と助けられたのが、自販機の横にある、香りと味で4つに分けられたチャート表。「フルーティタイプ」「熟成タイプ」「軽快タイプ」「旨口タイプ」などが紹介されています。

私はマイルドで匂いがキツくなく、甘みのある日本酒を希望。フルーティレベルが高い39番を選びました。

色々な「おすすめの日本酒」が
あるので安心です

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一番右の黄みがかっているのが、39番の「小江戸 ワイン酵母仕込み純米(小江戸鏡山酒造)」。このききざけ処でしか飲めない、オリジナルの日本酒でした。

そのほかにも、今週のおすすめ、スタッフのおすすめ、女性スタッフのイチ押しなども合わせて4種類をチョイス。店内中央にある立ち飲みカウンターに行ってさっそく……ん、待って。

「本日のおつまみ」というメニュー表を見つけてしまいました。

おつまみは
「発酵」にこだわってます

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コイン2枚と交換できる「特選胡瓜古漬久兵衛・初雁しぼり・熟成しゃくし菜の3種盛り」
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小江戸川越鏡山酒造の「酒粕クリームチーズ」。こちらもコイン2枚

漬け物の3種盛りと酒粕クリームチーズは、合わせてコイン4枚分なので500円。土日限定ですが、地元川越産大豆のざる豆腐も食べられるそうです(しかも醤油も9種類用意されるので、こちらも食べ比べできますね)。

さてお待たせしました、埼玉の地酒、グビッといただきます!
……う、うまぁ……。

いや本当に、おいしくてびっくりしました。とくに一番気になっていた39番のオリジナルのお酒。最初は「ワイン酵母仕込みの日本酒?」と思いましたが、フランスから取り寄せた白ワインの酵母を使っているそうで、香りも日本酒独特のキツさがなく、これは今までに味わったことがなかった……。こういう新発見ができるのも試飲の魅力です。

ちなみに、ききざけ処には椅子がありません。居酒屋ではないのでご注意を。でも、椅子がなくて正解だと思いました。居心地が良すぎて酔いつぶれるお客さんが続出してしまいますからね。あくまでも “試飲” です。

ほろ酔い気分で
「おみやげ処 明治蔵」へ

©2018 TABI LABO

心ゆくまで日本酒を堪能したので、帰りは「おみやげ処 明治蔵」へ。

酒粕クリームチーズやワイン酵母仕込みの純米酒を自宅用に買っちゃいました。試飲したものは2018年の限定品なので全く同じものではなかったんですが、2017年のものは買えるということでゲット。真ん中にあるのは、川越市内限定販売「COEDO 恋あかり」の甘夏ビール。これもフルーティでおいしかった〜。

浴衣を着た外国人の方も楽しそうに日本酒の飲み比べをしていたし、池袋や新宿などからのアクセスもいい川越は、ここ数年で外国人観光客が急激に増えている街のひとつ。

確かにこれは、つい立ち寄っちゃうなぁ。

「川越市産業観光館 小江戸蔵里(こえどくらり)」
住所:埼玉県川越市新富町1-10-1
TEL:049-228-0855
公式HP:https://www.machikawa.co.jp/

【ききざけ処】
営業時間:11:00~19:00
TEL:049-229-6110

Top image: © TABI LABO
取材協力:埼玉県, まちづくり川越

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