インスタの“対TikTok”新機能
SNSで繰り広げられる、ユーザー争奪戦。
そんななか、大手の筆頭であるInstagram(インスタ)より「Collabs」なる新機能が公開された。
これは、フィード投稿やリールを制作する際にコラボレーターとして他のユーザーを招待し、共同で制作できる機能。共同で制作された投稿は両者のフォロワーに共有され、いいねやコメントも統合されるシステムとのこと。
ちなみにこの機能、じつは5月ごろに期間限定で、しかも日本でのみテストされていた機能だったりする(詳細はこちらをチェック)。成果が上がったのか、米国でのテスト配信へと踏み切ったようだ。
さて、10月20日より「Product Week」を開始し、その初弾として公開されたこのCollabs機能。戦略として明らかなのは、これが“クリエイター向け”の機能であるということ。
インスタは同プロジェクトの目的を「ユーザーがコンテンツのレベルを上げ、よりうまくファンと繋がるのを支援するため」だとしている。
同時に「ユーザーが資金調達をするための機能」のローンチも発表。Twitterの「チップ機能」に倣ったこちらからは、クリエイターの敷居を下げ、クオリティを向上させる狙いが伺える。
さらにはデスクトップブラウザから投稿できる機能や、動画に3Dで歌詞を表示する「Dynamic Lyrics」なる機能などの導入も発表。
動画をめぐるTikTokとの競争が激化しているなかで、クリエイターの維持と呼び込みを狙った機能の数々には、本格的にリールを強化し、TikTokに対抗する姿勢が感じられる。
クリエイターがより自由に発信できるプラットフォームが、結果的にユーザー争奪戦を制する−そんな時代が迫ってきているのは事実。これまで繰り広げられてきたユーザー争奪戦は、いまや“クリエイター争奪戦”へと発展してきていると言えるのでは?
一方で、最近はインスタを含め「Facebook社が若者にとって悪影響である」といった批判の風潮も高まってきている。
10月1日には米『ウォール・ストリート・ジャーナル』誌より「インスタが10代女子にとって“有害”であるということを、Facebook社は知っていた」という記事まで公開。
記事はさておき、 SNSへの過度な執着が悪影響であることは明らか。YouTubeでも低評価表示が廃止されたりと、SNSも新しいステップに進みつつある。
新機能をローンチすることはこの悪影響を改善できるのか、それともより熱中させてしまうものなのか?前者であることを願いつつ、白熱するクリエイター争奪戦の行く末にも注目したい。