不倫は「原因」か「結果」か?【調査結果】

科学ジャーナル『Psychological Science』誌によると、ドイツで行われた12年間の研究の結果、不倫が起こるかなり前の段階から、両者の幸福感や関係の質が低下していく時期があることがわかった。

性的関係を含めた「付き合い」を心理学的理論からみていくと、不倫は人間関係の悩みの重要な原因であるらしい(ごもっとも)。

よって、これまでの夫婦カウンセリングでは、不倫が起きたあとの辛い感情をマネジメントすることに焦点があてられてきた。が、最近では不倫とは「原因」ではなく、関係がうまく機能しない「結果」として生じるものである。こう提唱する研究者が増えているらしい。

研究代表者のOlga Stavrova氏は、2008年より1万2000人以上を追跡調査し、不倫や生活満足度、個人的な幸福に関するデータを分析。その結果、最終的に不倫に至ったカップルは、不倫以前から生活満足度や関係満足度が低い状態にあったことを報告している。

つまり、(不倫における)被害者と加害者のどちらにも関係満足度が徐々に悪化していった「結果」なのだと。また、女性よりも男性の方が不倫をする確率が高いことも調査結果から見えてきたようだ。

とはいえ、これらの研究結果も過去に収集されたデータに基づくものであり、不倫や浮気の判断基準が十分に明確化されていないこと、また、非一夫一妻制の可能性などが考慮されていないことからも、「不倫」に至る心情を図るにはさらに複雑な人間心理を解く必要がありそうだ。

不倫はいっときの「衝動」なのか?それとも……。

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