人生は、「おしゃべり」でできている？
サウナ大好き作家・岩田リョウコさんと、サウナをこよなく愛する女優・清水みさとさん。
ふたりがどのようにサウナを日常に取り入れ、どんなサ活を楽しんでいるのか。気になりますよね？ そこで、ふたりのサウナな日々を「交換日記」に綴ってもらいました。
今回は、みさとさんからリョウコさんへ──。
俳優、タレント。サウナ好きが高じて、「サウナイキタイ」ポスターモデルをはじめ、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ？」(AuDee／JFN全国21局ネット)のパーソナリティーを務め、TBS「世界ふしぎ発見！」など多方面で活躍中。近著に『サウナのぷりンセス』。
リョウコさんへ
ポッドキャスト『ひとまず今日もいい日』が始まりましたね。
始めると決めた日から、音楽・イラスト・収録・スポンサーとやるべきことが目白押しなのに、2週間足らずで幕開けしたポッドキャスト。協力してくださったみなさんの仕事の速さにはもう、感謝と学びがいっぱいでした。
始めようとして勇気が出ずに始めなかったこと、始めても続かなかったことが、これまで山ほどありました。でも、今回は始めることに怖さや不安が一つもなくて、それは、リョウコさんとならどう転んでもおもしろいことはわかっていたし、なにより既に楽しくて仕方がなかったから。
今回のポットキャストは、場が用意されて始めるのではなく、自分たちで0から作り上げるスタイル。初めてスポンサー営業もしました。どうなるかわからないソワソワと、始まる嬉しさによるワクワクと、一刻もはやく告知をしたいドキドキが渦巻いて興奮しきりのわたしたちでしたよね。
そして早速、Spotifyの「ポッドキャストランキング」でも2桁までぐーんと伸びて、たくさんの方に聴いていただいたことが数字として表れていたのには、感慨深いものがありました。
数字がすべてではないけれど、楽しんだ末に結果がついてきたというのは、やっぱり嬉しいもんで。ランキングって一度出てしまうと気になるけど、存分に楽しみながら大好きなおしゃべりをしていきたいですね。
収録日でも散々話すのに、その前日におしゃべりのためのランチをしたり、もうどんだけしゃべってるの？と、しげおさんにはドン引きされています。しゃべりすぎて怖いと。こちらは、話が尽きなくて怖い。
収録で、録音ボタンを押す前からしゃべりすぎて、プロデューサーの柳橋さんにも「収録始まってからしゃべって！」と言われる始末ですが、好きなことを仕事にできるというのは、やっぱり嬉しいものです。
おしゃべりといえば、コロナ以降、サウナでも“黙浴”がベースになってきました。学生の頃、ジムサウナでおばちゃんとおしゃべりするのが好きでサウナを好きになったわたしは、サウナでのおしゃべりがやっぱり大好き。
もちろん、静かに入りたい人だっているし、みんなが心地よく過ごせる場であるために、思いやりは大切なので、貸切サウナや偶然人がいなかった時、おしゃべりが許されているサウナで、おしゃべりを楽しみます。でもときどき、「黙浴」と大きく張り紙がされていると、ちょっぴり寂しくもあります。
最近、山梨県の山中湖に「CYCL（サイクル）」というサウナができました。
目の前には、どーんと富士山と山中湖が広がる夢のような場所で、景色もすごいのですが、もうひとつ。
「会話を楽しんでいただける施設です」
“社交場”となっている本場フィンランドのサウナに倣って、ここのサウナはおしゃべりOKだと、公に言ってくれているんです。「黙浴」はよく見るし、暗黙の了解なんかはよくあるけれど、堂々と「社交場」といってくれているサウナ、新しい！
サウナ室は20名がゆうに座れる広さで、ど真ん中に大きなストーブがあり、大きな暖炉を囲むような感覚がより温もりを増すというか。自分と向き合うサウナもいいけれど、団欒するサウナもやっぱり、いい。
ほどよい暗さが、会話の節度を守らせてくれるんですよ、不思議なもんで。
天井は計算された多角形がずらり。でこぼこして、ロウリュした蒸気があちこちに行き渡るので、どこに座っても気持ちよく、おしゃべりもほどほどに我慢できなくなって、話の途中でもおかまいなく、ささっと水風呂に行く。
サウナならではのこの自由さが、大好きです。
じゃばじゃばのオーバーフロー富士山系天然地下水かけ流しの水風呂で、頭まで一気に浸かって、富士山を見ながら異世界にぶっ飛ぶととのいをし、みんなで感動を共有しながらサウナに入り、何セットしたかわからなくなりました。
最後は富士山を見ながら、大好物のパフェを食べました。天国です。
おしゃべりが許された大きなサウナ室で、おしゃべりしながら入るサウナは、すごく楽しくて、なんだか懐かしさも感じました。おしゃべりが許されたサウナで、サウナが好きになったんだったなぁって。
これから、まだまだサウナ文化は発展していくだろうけど、変わってほしくないものはやっぱりあって、人と人を繋ぐ社交場としてのサウナは、いつまでもあり続けてほしいです。
サウナでのおしゃべりって、カフェや学校や会社のそれとはまるきりちがって、そもそもみんな裸なんで、年齢も職業も関係なくなったうえで繋がるので、おもしろいんですよ。ね、リョウコさん。久しぶりに、おしゃべりが許されているサウナに一緒にいきたいです。
え？まだしゃべるのかって？ええ、わたしたち、いつまでもしゃべり続けますよ、止められるまで！
どこのサウナいきます？
『CYCL（サイクル）』
【住所】山梨県南都留郡山中湖村平野479-107
【営業時間】10:00〜21:30 ※2時間30分（150分）ずつの利用時間枠
【入館料】3960円（税込）
