「木から生まれた」バッテリーが、電気自動車の未来を変える

2030年までに脱ガソリン脱ディーゼル車を目指す欧州の自動車業界では、様々な素材を用いたバッテリーの開発が試みられている。

「フォルクスワーゲン」が支援するバッテリーメーカー「ノースボルト」は、天然原料リグニンベースのハードカーボンからつくられたバッテリー生産に乗り出すために、紙製品を専門に扱う「ストラ・エンソ社」と業務提携を行うことを発表した。

リグニンは木材中に2~3割含まれる高分子物質であり、植物を木質化させ強固にする性質がある。パルプ製造においては除去される不要な成分であるが、接着剤をはじめ様々な用途が見いだされている、注目素材だ。

これをバッテリーとして用いるため、北欧地域の森林から木材を調達し、原材料を完全にヨーロッパ産とする世界初のバッテリーを目指している。

ストラ・エンソがリグニンをベースとするアノード(電子が流れ込む電極)である「Lignode」を供給、ノースボルトはセルの設計や生産工程、技術開発を主に担うようだ。

ちなみにノースボルトは、フォルクスワーゲンをはじめ「ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント」を含むさまざまな投資元からの資金調達を試み、最近、11億ドルの調達に成功したことを発表したばかりである。

国際エネルギー機関によると、2021年の電気自動車(EV)の販売台数は 660万台に上った。また、2022年の第1四半期のEV販売台数は200万台に達し、2021年の最初の3か月と比較して75%増加した。

これからの10年間、ますますEVの販売は伸び続ける見込みで、もちろんバッテリーの需要もそれに伴う。

自動車業界の内部構造が変遷する中、モビリティの新時代を切り開く技術競争が熾烈になっている。

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