Z世代が感じる「親との感覚のズレ」について

デジタルネイティブと言われるZ世代。物心つく以前からインターネットは普及し、成長してからもスマホを自在に使いこなして情報収集もすればコミュニケーションも図る。いっぽうで新型コロナウイルスによるパンデミックで、劇的に変化した学生生活を送らざるを得なかった世代でもある。

環境変化の激しい彼らは、いったい親子の絆をどう捉えているのだろうか?先月、米「HuffPost」が公開した興味深い記事を紹介したい。

Z世代 vs X世代
親子間での認識の相違

くだんの記事では、アメリカのZ世代が両親との対立やいざこざの原因として多く取り上げられる問題を列挙している。興味深いのは、彼らがセラピストに相談やカウンセリングに行く際に、どういった問題が挙がるかをセラピストたちからヒアリングした構成になっている点だ。

例えばこんな具合に。

スマホの使用制限」「テクノロジーの進化と自立心」「アイデンティティへの理解力」「ボディイメージへの相違」。お国や事情は違えど、日本でも同様の話題で親子の間での世代感ギャップがあるんじゃなかろうか。

スマホ使用制限の副作用

さて、これらの問題に対するセラピストたちの見解は?以下、さらに詳しく見ていこう。

親が子どものスマホ使用を制限するというケースがある。これについて、カリフォルニアを拠点とするセラピストTorri Efron氏は「HuffPost」に対し、以下のように見解を示している。

「一見、子どもたちを守ることのように思えるが、親子関係に亀裂を生む可能性が非常に高い」と。然もありなんな見解だが、意図するところは無闇に制限を設けても、デジタルネイティブな子どもたちは何らかの方法を見つけ出し制限をくぐり抜け、親に嘘をつくなどして二重生活の状態に陥る可能性があるとの見方。

頭ごなしに制限をかけるのではなく、なにを心配しているか、危険性のあつコンテンツを共に閲覧して話し合うことの方が建設的とのメッセージングも。

子どもであるZ世代のみなさん、親世代のみなさん。いかがです?どちらの立場からも納得でしょうか?

多様性とアイデンティティへの理解

もうひとつ。おもしろい例が「アイデンティティへの理解」。

なんでも、親が自分たちのありのままを理解してくれていない、受け入れてくれないと感じているZ世代の子どもたちも多いようだ。というのも、個々の「違い」を受け入れ認め合う、そういった社会風潮が今日広くグローバル・スタンダードとなったのも、まだここ数年のこと。

X世代の親たちもそのことを理解してはいながら、はたして子どもたちと同じ視線で性同一性やセクシュアリティを捉えているかといえば疑問が残る。理解とともに享受がすすむ現代のライフスタイルに、いかに親世代が他者のアイデンティティについて偏見や思い込みを捨て去り、違いを受け入れる姿勢を示すことができるかがカギのよう。

“感覚のズレ”との向き合いかた

Z世代が直面する親子間の問題はじつにさまざま。「親の心子知らず」「子の心親知らず」とはよく言ったもので、多くの場合、コミュニケーションによる意識のズレがすこしずつ溝を大きくしていくことは世の常。

となったとき、いかに誤解や対立を避けお互いを理解し、そして歩み寄るか。「親はなにもわかってくれない」「いつまでも子どもは子ども」まずは、そうした双方への不満をいちど横に置いて、それぞれの立場で今という時代を再認識してみてもいいのかもしれない。

Z世代のみなさん、親であるみなさん、“感覚のズレ”どのように解決してますか?

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