【ブーム前夜】次のクラフトは「牛乳」だ! クラフト・ミルク産業は間違いなくアツくなる

クラフトビール、クラフトコーヒーに続く、新たな「クラフト」トレンドといえば、ミルク。

ビール、ピザ、ハンバーガーなど幼き、若き頃のコンフォート・フードを「ハイクオリティ」で再現するという方程式があるクラフト・フード。そのクラフトの最新情報。最近、ヒップスターを中心にアツい視線が注がれているのは、牛乳らしい。

小規模経営で職人が精魂込めて造る、近年流行りのクラフトは、「作り手の顔が見たい」「自分の体に入れるものがどうやって造られているか知りたい」人たちに人気のスタイル。流行の兆しをみせる「クラフト・ミルク」ブーム前夜を、解剖しちゃいます。

街にミルクマンが戻ってきた!

04b460b4500e2b5e61c550c184c6d06e83247172

英テレグラフ紙が報じたニュースによると、なにやらロンドンではいま、地元の牛乳屋さんが忙しくなってきているらしい。

イーストロンドンのミルクマン(牛乳配達)によれば、ここ最近で瓶牛乳の宅配を頼む人が増えているというのだ。お客さんは、ミレニアル世代のヒップスター。「自分の飲むミルクがどこから来ているのか」を知りたがる彼らは、オーガニックミルクや小さな酪農家で作られたミルクの宅配サービスに興味を示した。

従来の牛乳に加え、豆乳やアーモンドミルク、ライスミルク、ヘーゼルナッツミルクなど、non dairy milk(牛乳がダメな人でも大丈夫な、ミルク乳製品でないミルク)も取り揃え、ヘルスコンシャスなヒップスターの需要にぴったりと当てはまった選択肢を用意していることが特徴だ。

イギリスの酪農サプライチェーン事業団体「Dairy UK」の調べによると、今年は牛乳のドアステップデリバリー(宅配)数が、ここ20年で初めて増えると予想されている。また閉業間近であったあるロンドン郊外の牛乳屋さんは、新しいお客が最近増えてきたことで営業を再開したそうだ。

またニューヨークでも人気なのが、小さな牛乳宅配サービス会社「Manhattan Milk(マンハッタンミルク)」。近隣のコネチカット州の農家で搾れた、grass-fedミルク(牧草飼育された乳牛から搾れたミルク)を、青い制服を着た爽やかなお兄さんたちが青いかごに入れ担いで、自宅の軒先まで届けてくれるのだ。

SNSでも牛乳エンジョイ・ポスト

ときに、中身よりも外見やスタイルにもこだわりたいヒップスターたち。それはミルクでも同じで、彼らは“ビン”のミルクであることにこだわる。

昨今のレコードブーム然り、カセットテープリバイバル然り、理由はずばり「レトロだから」。牛乳瓶を懐かしく思うのは、万国共通だ。

そしてさすがSNS世代の彼ら、自宅の玄関先にミルクマンが届けてくれた牛乳瓶をスマホでパシャり、インスタグラムでその一枚をシェアする。「ドアに届く新鮮な牛乳と迎える朝」や「シンプルな地産地消スタイル、いいね」といったコメントも忘れずに。

マイクロ・ブリュワリー(醸造)ならぬ
マイクロ・デイリー(酪農)

46413b757d645a16d884846eef4a3d2bb15bfd58

クラフトビールが生まれる小規模なビール工房、「マイクロブリュワリー」。大きなスペースを取らないことから、都心でもビールを手造りでき、人々は都会で造られる“地元の味”を楽しむことができるようになった。

そんなマイクロブリュワリーに倣って、ウィスコンシン州のとある酪農家は、自らのことを「マイクロデイリー(酪農場)」と呼ぶ。彼らをはじめとするマイクロデイリーは、自らの手で牛乳をビン詰めし、消費者に直接売ることができるライセンスを持っている。

「1871 Dairy」という乳製品ブランドを持つこの酪農家は、オーガニックミルクの製造オペレーションの拠点を、地方にある農場ではなく近隣の都市シカゴに移したい、と目論む。そしてシカゴの街中を自転車で周り、牛乳配達することも考えているようだ。

そんなミルク人気を裏付けるかのように、ナチュラル・オーガニック志向の人御用達の米スーパーマーケットチェーン「Whole Foods(ホールフーズ)」は、今年グラスフェッドミルクの売れ行きが上がると予想している。

近年のオーガニックブームに加え、ミレニアル世代のヒップスターによるレトロブーム。小学校の給食以来ご無沙汰な「牛乳瓶」に入ったオーガニックなグラスフェッドミルクが「クラフト・ミルク」として、「クラフト」の新顔になるのも時間の問題だ。

HEAPS

「時代と社会の、決まり文句にとらわれない」ニューヨークに拠点を置く、サブカル&カウンターカルチャー専門のデジタルマガジン。世界各都市の個人・コミュニティが起こすユニークな取り組みやムーブメントをいち早く嗅ぎつけ配信中。世界のマイノリティたちの生き様を届けます。www.heapsmag.com

Text by Risa Akita
次々と専門のお店ができて大流行中のクラフトビール。ところで、そう言えば少し前に「地ビール」なんて言葉もありました。いまいち分からずに使っているこれらの言葉...
少量生産でもこだわりの味を提供する。サードウェーブコーヒーにはじまり、マイクロブリュー、Bean to Barと、いまやフードビジネスにおける“クラフト”...
最近、こんな疑問を感じたことはありませんか?「クラフトビールはビン入りよりも缶に入ったもののほうが多い」と。どうやら日本だけではないようです。クラフトビー...
京都市のほぼ中心に位置する烏丸御池──。今に残る京町屋で楽しめるのは、趣向を凝らしたクラフトビールと日本酒、そして創作料理。この地だからこそ実現したコラボ...
今年9月、日本で本格的にスタートしたパタゴニアの食品ビジネス「パタゴニア プロビジョンズ」。個体数が豊かで持続可能な群れのみから捕獲し加工したスモークサー...
お酒好きにとって、旅のお楽しみといえばご当地の地酒。北欧ではアクアヴィットというジャガイモやトウモロコシを主原料としたアルコール度数40度以上の蒸留酒が伝...
IPA=インディア・ペール・エール。クラフトビール好きならば、この言葉に敏感に反応してしまうかもしれない。ビールらしいホップの苦みを押し出したもので、クラ...
小規模なビール醸造所で職人たちがつくるクラフトビール。狂乱ブームの波が過ぎコーヒー人気のように、ようやくスタイルやシーンに浸透してきた日本。けれど、海外で...
日本でもすっかり定着したクラフトビール。ブルワリーレストランがオープンしたら足を運んだりするだけでなく、酒屋やコンビニで珍しい銘柄が顔を見せると思わず手に...
埼玉県の小川町に、茶色い屋根の建物が、ぽつんと建っている。「土地と建物は借りているけれど、それ以外のことは全て自分の手で作っています。なんでも自分でやらな...
最近、発泡酒の味が改良されていて、ビールとの区別が難しいときがあります(自分だけ?)。もはやビールである必要なんてない、むしろ発泡酒の方が好き、という声も...
トラベルやカルチャーの情報を中心に発信している米メディア「Matador Network」。同サイトに「クラフトビール好きにベストな世界の17都市」という...
海外へ行き、ビールを飲んで、給料がもらえる。世の中には、こんな求人があるんです。フロリダを拠点にクラフトビールBARのチェーンを展開している「World ...
職人さんが丁寧に造った、贅沢なクラフトビール。本来の旨味を引き出してくれる、美味しいおつまみと一緒に味わうとさらに最高です。絶対に行きたい!都内の美味しい...
その手法に賛否両論あるものの、毎回過激なメッセージングで動物愛護への問題提起を投げかけるPETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)。今回も、ロンドンを舞...
上品な味わいの「マスカルポーネチーズ」は、ティラミスだけでなく、さまざまなケーキに使用されています。あの濃厚なクリーミーさを冷蔵庫にあるもので再現できたら...
近年、美容や健康にココナッツが大注目。オイルやミルクが当たり前のように手に入るようになってきました。で、そのココナッツブームとともに日本に入ってきたのが「...
中目黒には、こだわりのクラフトビールとフードが味わえるお店がたくさんある。ここでは、とくに今週末訪れて欲しい場所を紹介する。というのも、ある4店舗で「Po...
7月30日(土)にオープンしたばかりの「GRAIN BREAD AND BREW」は、世界中で食べ歩きをしてきた“サンドウィッチギーク”が開いた「クラフト...
寂れた街のストリートを、夜な夜な吹き溜まる不良どもが占拠する。おもむろに立ち上がると思うとスプレーを一振り。ふと朝目を覚ませば、昨日までなかったそれが、壁...